【著作権】初音ミク作品の“出口”は 「表現」と「ビジネス」の狭間で
「『初音ミク』という音楽ソフトを出し、ミクのイラストを3枚公開した。
それ以外何もやっていないのに、ユーザーさんが盛り上げてくれた」
(クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長)
人の声で歌うソフト「初音ミク」が、音楽創作のあり方を問い直している。
ニッチな趣味だったDTMを一般に広げ、イラストや動画と組み合わせた創作の
コラボレーションも加速。「ニコニコ動画」のような場を活用して無名の素人が
作品を発表し、人気作品は着うたやカラオケで配信されるなど、
ビジネスにもつながっている。
ツールやネット環境の進化によって、一般ユーザーが発表の場を手に入れ、
手軽に自己表現できるようになってきた。その一方で、素人による創作が、
他者の著作権を侵害することもある。作品から無料でもらった“幸せ”を
クリエイターに還元する仕組みも、まだ整っていない。
デジタルコンテンツ協会が3月17日に開いたセミナーで、クリプトンの伊藤社長や、
初音ミクのエンジン「VOCALOID2」を開発したヤマハの剣持秀紀さん、
同社法務・知財部の戸叶司武郎さん、弁護士の小倉秀夫さん、弁護士の北村行夫さん、
コンテンツ投資などを行うシンクの森祐治社長、ニフティ法務部部長の丸橋透さん、
NTTぷららで「ひかりTV」を担当する伊藤康之さんが、初音ミクが刺激した創作や
著作権制度とのかねあい、ビジネスモデルのあり方について話した。
■ミクの声が「壁を突き破った」
初音ミクは「人間の声」によって壁を突き破った――ヤマハの戸叶司さんは指摘する。
「声という技術を作ったら、これだけ多くの人が参入してきた。受動的なユーザーを
能動的に変え、能動的なユーザーを活性化した。DTMのすそ野を広げ、頂点を上げた」
「人間の声」という分かりやすいツールは、楽譜を書けない一般ユーザーにも
「自分でも音楽が作れるかもしれない」と思わせ、楽曲制作未経験者への
参加のハードルを下げた。以前から宅録(自宅録音)で楽曲制作を楽しんできた
DTMユーザーには「唯一作ることができなかった人間の声」(戸叶司さん)を提供した。
「楽器の音はMTRにつなげば録音できるが、歌は防音設備と録音機材が必要。
女声の歌を録音したければ、歌のうまい女の子を探して交渉し、ディレクションも
しなくてはならない。そういったことが苦手な人に、『ミクを使えば俺でもできる』
と思わせたインパクトは、すごく大きかった」
楽曲を発表すると数多くの視聴者が集まり、コメントなどで反応がもらえる
「ニコニコ動画」という場の存在も大きかった。「ネットで自己表現でき、
それを見てもらえる環境が整っている」(戸叶司さん)
>>2へ続く
(画像は記事参照)
ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/18/news074.html 関連
【著作権問題】初音ミクは歌手(権利者)か? ミク本人(声担当の藤田咲さん)への著作権料の配分は?
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1205836055/
■「一般層に売るつもりはなかった」と伊藤社長
ここまでの盛り上がりは、開発元にとっても想定外。「初音ミクはあくまでVSTi
(バーチャルインストゥルメントの規格の1つ)で、DTM層に売るための新しい楽器。
一般の人は使わないだろうと思っていた」(クリプトンの伊藤社長)
だが初音ミクの声と姿のインパクト、ニコニコ動画という発表の場が、
旧来のDTM層だけでなく、音楽製作未経験のユーザーや、イラストやアニメの
クリエイターまで刺激し、新しい創作をうみだした。
ミクをリリースした直後の9月。予想外の盛り上がりを見て伊藤社長は
「これはいったい何なんだと思い始めた」という。「音楽ソフトを出し、
ミクのイラストを3枚公開した。それ以外何もやっていないのに、
ユーザーさんが盛り上げてくれた。うれしかった」
特に、音以外――イラストやアニメ――の創作は、全く想定していなかった。
「動画投稿サイトに楽曲を投稿する際、背景に使ってもらおうとイラストを3枚公開していた。
3枚だけでは飽きるだろうと、イラストレーターのKEIさんに毎月数枚新たに描いて
もらおうと話していたが、それを忘れるくらいの勢いで、ユーザーがイラストを描いてくれた」
■ユーザーのボトムアップをビジネスに?
初音ミクという「キャラクター」が人気を得るにつれ、アニメ化やゲーム化など
キャラクタービジネスのオファーがクリプトンに殺到。ゲーム「トリノホシ」の
イメージソングを歌ったり、プレイステーション 3向け番組「トロステーション」
に参加するなど一部でメディアミックスにチャレンジしたが、多くは断ってきた。
「当社は音の会社。キャラビジネスをしようというもくろみは、当初からなかった」
(伊藤社長)
それよりも、ニコニコ動画で加速度的に盛り上がっている2次創作を支援し、
「ユーザーの創発がどんなムーブメントを起こすか見てみたい」と考え、
イラストや楽曲、詞を投稿し、お互いの創作物を利用し合うためのサイト「ピアプロ」
を12月に公開。黙認していた2次創作を公認するガイドラインを定め、
非営利・公序良俗に反しない範囲で自由な創作を認めた。
「権利をがっちり守ってもうけるモデルは通用しなくなりつつある」と伊藤社長は指摘。
ピアプロで、現実に合った新しいモデルを模索したいと話す。
「ピアプロからの収益はなく、出口も見つかっていないが、ユーザーとの
コミュニケーションに解決の糸口が見えるのではないか。ユーザーからの
ボトムアップをキャッチし、それをテコに収益化していくほうが、可能性があると思う。
産業側はユーザーの創作を無視せず、競い合わず、一緒にうまくやっていくことが必要だろう」
(伊藤社長)
「ユーザーからの発信を止めるのは、技術的にもユーザー的にも難しい。
DRMだけではコピーは防げず、『2次創作するな』といってもするのがユーザーだ」
(伊藤社長)
同社は、サンプリング用CDやバーチャルインストゥルメントなど音の素材を
プロ・アマのクリエイターに売ってきた会社。音楽や動画流通の仕組み作りに
関わるのは初めてだ。「映像も音楽も門外漢で、プロでも同人でもない。
ニュートラルな目線で、できることにフォーカスしていきたい」(伊藤社長)
>>3へ続く
■ニフティ「MIDIフォーラム」の悲しい過去 著作権処理の問題は
初音ミクで作成された楽曲は、オリジナル楽曲も多いが、既存楽曲を歌わせた
カバー曲も少なくない。「創作は、最初は模倣から入るもの」(ヤマハ法務部の戸叶司さん)
とはいえ、それが日本音楽著作権協会(JASRAC)管理楽曲ならば
JASRACに使用料を支払う必要が出てくる。
「ニフティは過去に悲しい思いをしている」――ニフティ法務部部長の丸橋透さんは、
パソコン通信時代の「MIDIフォーラム」を振り返って話す。
MIDIフォーラムは、ユーザーがMIDIデータを共有できるサービス。
一般のDTMユーザーが、当時のヒット曲などJASRAC管理楽曲を打ち込み、公開していた。
JASRACは01年、個人の非営利利用でも楽曲のネット配信には著作権使用料支払いが必要とし、
料金を10曲当たり年額1万円か1曲あたり同1200円と設定した。
「支払えるユーザーはほとんどおらず、MIDIフォーラムは解散した。
そんな悲しい思いは、もうしたくない」(丸橋さん)
■サイト側が使用料を払う仕組みが一般的だが
インターネットに移転したMIDIフォーラム(07年に終了)では、
ニフティやスポンサー企業がユーザーの代わりに著作権料を支払うという仕組みで運営してきた。
YouTubeやニコニコ動画も同様に、著作権料は投稿サイトが肩代わりして支払う
――という方向で議論を進めている。
アマチュアアーティストが楽曲を投稿・公開できるヤマハの「MySound」
(旧プレイヤーズ王国を統合)では、ヤマハがJASRACに著作権料を支払っており、
JASRAC管理楽曲の演奏も無料で公開できる。
ニフティの丸橋さんは「管理サイト側が責任を持つという状況は、中途半端で悲しい
ソリューションではないかと思う」と話す。「ありものの曲を、アレンジして発表した時、
簡単に安く著作権処理できるような仕組み作りが必要だろう」(丸橋さん)
シンクの森祐治社長は、米国著作権法で規定されているような「フェアユース」の
概念がない日本の著作権制度下で、自由な創作やビジネスモデルへのチャレンジが
萎縮させられていると指摘する。「欧米では果敢なビジネスモデルが試されているが、
日本の著作権法はグレーゾーンがたっぷりある。コンプラインアンスの意識が
過剰に高まり、萎縮効果が働いている」(森社長)
ヤマハの戸叶さんも、フェアユースのような仕組みの導入が必要という意見だ。
「発表して楽しむだけのユーザーが安心して楽しめる仕組みがあって初めて、
受動的なユーザーが活発になる」
>>4へ続く
■クリエイターが報われる仕組み作りを
弁護士の北村さんは「テレビなど従来型のコンテンツビジネスは、メディア間でお金が動き、
クリエイターがこれまで十分に報われていなかった」と指摘。クリプトンの伊藤社長も
「これまでのコンテンツビジネスは、大きな資本を中心に回るトップダウン型だったが、
ユーザー同士のつながりがうむボトムアップ型に変わってきている」と話す。
ニコニコ動画やピアプロ、MySoundのような投稿サイトには、無名の一般ユーザーが、
商用にも耐えるようなハイクオリティーのコンテンツを投稿している。
「MySoundに投稿する人はお金がもらえるわけでもなく、報酬は名誉しかない」
(ヤマハの戸叶さん)。それでも投稿は止まらない。
初音ミクで楽曲制作するクリエイターも「お金は求めていないが、名誉を求めている。
名誉にお金が付いてくることには拒絶しない」(ヤマハの剣持さん)という。
「作者に感謝の気持ちを贈るために、名誉や“ありがとう”の気持ちを
数値化できないだろうか」(剣持さん)
弁護士の小倉秀夫さんは、作者に還元する方法は2つあると話す。
(1)投稿作品に人気が出れば、直接お金がもらえるような「投げ銭」的な仕組み、
(2)CGMサイトをPR用のショーウィンドウとして利用し、既存メディアに見いだされて仕事を得る仕組み
――だ。「前者ができればそれに超したことはない。一部のシェアウェアのように、
使って気に入ればお金がもらえる、ということが音楽で行われるだろうか」
シンクの森社長は「音楽や映像といった手のかかるコンテンツは、発表の場と
コラボレーションの場が分離するだろう。コラボレーションの場はお金を取れる場
にならないのではないか」と指摘。(2)のモデルの場合は、ネットでコラボレーションし、
テレビなど既存メディアで収益を得る仕組みになるだろうと見通す。
NTTぷららでIPTVサービス「ひかりTV」を担当する伊藤康之さんは、
ネットで発掘された才能をひかりTVなどといったメディアに引き上げ、
収益につなげていきたいと話し、メディア側として(2)を支えていきたいとした。
5 :
なまえないよぉ〜:2008/03/18(火) 23:44:52 ID:JNqESE5p
重複じゃね
6 :
なまえないよぉ〜:2008/03/18(火) 23:55:23 ID:RexkAFne
結局、ゴタゴタのすえフロンティアワークスが追い出され
同人ゴロの是空とおるが版権物の仕切りをやってるのが笑える
7 :
なまえないよぉ〜:2008/03/19(水) 00:24:15 ID:g4VtZ1uG
ま、573は見習え
8 :
なまえないよぉ〜:2008/03/19(水) 00:36:29 ID:YZmxilOX
9 :
なまえないよぉ〜:2008/03/19(水) 01:20:10 ID:gzcXR/h1
>DTM層に売るための新しい楽器。
>一般の人は使わないだろうと思っていた
いったいどうやってこの当時にキャラ絵で出そうと思いついたのか
天使か悪魔が囁いたのかねぇ
10 :
なまえないよぉ〜:2008/03/19(水) 02:09:47 ID:ev0XjcE2
クリプトン自体ミクを管理しようと思って無かったので一人歩きしてる今
もう手に負えませんので藻前ら勝手にどうぞってこと?
是空プロデュースのコミックアンソロ2冊、マニュアル本2冊出たけど
たいして話題にならず、このままだと消滅
12 :
なまえないよぉ〜:2008/03/19(水) 02:59:01 ID:WcbUI/oI
ヲタはですね
熱しやすく醒めるのも速いんですが、一部はとても粘着質なのですよ。
カスラックの目障りにならない程度に残党となって活動するのです。
十年でも二十年でも、カスラックのヒヒ爺が死んでもね。
ニヒ
ミク厨が欲しくなる商品を企画してくれないからなぁ
ガイドブックはDTMマガジン増刊の出来がよかったので他に興味がわかないし、
アンソロは出来がまったく不明なので買う気がしない
そんなのよりもニコの曲集めたCDを早く出してくれ
>>13 アンソロは1冊は買ったが1本見れるレベルのがあった程度で全体的にクソ
1冊だけで切る判断ができたので良しとするっていう負け惜しみ
出品じゃありませんので、入札は全て削除します。 いよいよダウンロード販売開始のようです。販売予価は600円程度。
オクで落札しても制作者にはお金が入らないので、どうしてもパッケージが欲しい!
俺はパッケージに数千円払いたいんだ!転売屋に貢ぎたいんだ!という人以外は
各種ダウンロード販売サイトで購入して欲しいと思います。それがファンって物だろうと。
ここだとユーザー登録しなくても購入可能。
http://home.dlsite.com/announce/=/product_id/RJ038558.html 定価で買える物を転売して利鞘稼ぐとか、作者のサイトを調べもせずに入札とかってのはどーよ?