GDC2008最終日の22日に行われた、任天堂の青山敬氏によるセッション
「Planning the Wii Menu: From Pre-Launch to WiiWare (Wiiメニューをデザインする: 企画からWiiウェアまで)」。
Wiiのメイン画面となるWiiメニューのこれまでの進化の過程が、そこに込められた思いや狙いを含めつつ語られた。
なお、このセッションは写真撮影が禁止とされたため、スライドなどの画像データは用意できなかった。
文章のみの記事となるので、その点はご理解いただきたい。(中略)
■ 「家族全員に受け入れられる機械」についての議論
「家族全員に受け入れられる機械」というからには、家族の中にWiiに対する敵を作ってはいけない。青山氏は、
「お母さんや奥さんがゲームを買うことに反対したり、もうゲームをやめなさいというような状況になってはいけない。
どうしたら家族全員に触ってもらえるだろうか、とまず最初に考えた」という。
それに対する1つの答えが、ニュースチャンネルやお天気チャンネル。電源を入れるとニュースや天気が自動的に
更新されているというものだ。この仕組みを新しい開発メンバーが入ったときに説明すると、「親はゲームをやめな
さいというが、これなら朝、Wiiの電源を入れておいてというだろうね」と話したという。これを聞いて、コンセプトが
正しく伝わったと感じたのだそうだ。
ただ、1つの機能やアプリケーションで家族全員に触ってもらうのは難しく、この他にもいろいろなものが詰まって
いることが大切だと思うようになったという。とはいえ、多くのものが詰まっていると、わかりにくくなる。
それをわかりやすくするのが次の課題となった。あるとき、電気屋にテレビがいっぱい並んでいるのを見たスタッフ
がアイデアを生み出した。これがWiiメニューやチャンネルの元となったという。
Wiiメニューが形になったとき、1つの新たな議論が生まれた。ゲーム機を作っている任天堂が、ディスクチャンネル
とほかのチャンネルを同じ列に並べるのはどうか、というものだ。青山氏はこの答えを、「天気やニュースを見て
もらえても、私たちはそれはそれでうれしいと思った。
これまでゲームをしない人にも受け入れられる可能性を感じた」と、極めてポジティブな答えを出した。
またゲーム機とテレビの相性が悪いという話については、「画面をテレビと取り合ってはいない。テレビをもっと
楽しめるようにできると考えている」という青山氏。これにのっとって、日本ではテレビ番組表を配信するチャンネル
がまもなく開始される。「任天堂ならではの、テレビを見たくなるような仕掛けを入れている。Wiiはテレビの友達だと
思って開発を続けている」という。
似顔絵チャンネル(Mii)については、DSで似顔絵ソフトを作っていたチームがあり、これを知った岩田氏が早速
「本体機能具体化プロジェクト」に紹介した。似顔絵チャンネルはオリジナルのDSを作ったチームと、Wiiのソフトを
多く作っていたチームが協力しており、後にこのチームがみんなで投票チャンネルを作ったという。
こういった柔軟な動きができたことで、「社内の風通しをよくするという意味でも意味があったと思う」と語っていた。
(中略)
>>2へ続く
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080223/wii.htm