米国のコミックス出版最大手のマーベル・エンタテインメントが、2月19日に発表した
2007年の通期決算は、映画『スパイダーマン』シリーズの大ヒットにより
売上高、利益とも大きく躍進した。
一年間通しての売上高は、4億8580万ドル(約525億円)と前年比で39%と大きく増加した。
また営業収益は、2億7440万円(約296億円)と昨年の2.4倍を越えた。
利益の高い伸びは、特に昨年好調であったライセンス事業の伸びに支えられている。
今回の好決算について同社のモートン・ハンドル社長は、自社キャラクターに対する
世界的な需要の拡大によるものだとしている。そのうえで今後の同社の成長は、
今年劇場公開される自社製作の大作映画2作品『アイアンマン』(米5月公開予定)と
『超人ハルク』(米6月公開予定)の成否にかかっていると述べている。
実際に、昨年は1億2720万ドルから2億7270万ドルまで急激に拡大したライセンス事業に対して、
収益回収に至っていない映画製作事業は2007年も昨年と同じく
750万ドルの営業損のみが計上されている。こうした投資が大きな利益になって
戻ってくるかどうかは、映画興行とそれによるキャラクターライセンスが
成功するかどうかにかかっているだろう。
ライセンス事業の中心は『スパイダーマン3』で、ソニーピクチャーズとの共同事業である。
しかし、スパイダーマンL.Pだけで、1億2200万ドルの売上になっており、
少数のキャラクターへのビジネス依存度の高さが感じられる。
また、安定的な収益をもたらしている出版事業も好調で、売上高は前年同期の1億8510万ドルから
1億2570万ドルに増加した。営業利益は、4410万ドルから5350万ドルとこちらも好調である。
好調だった作品は、『ワールド・ウォー・ハルク』と人気小説家スティーブン・キングの
ファンタジー小説のコミカライズド版『ダークタワー』シリーズだった。
玩具事業は生産やライセンスの方針変更もあり、売上高1億1600万ドルから8700万ドルと
減少している。しかし、営業利益は2110万ドルから5470万ドルに増加した。
今後のマーベルの事業の鍵を握る自社製作劇場作品は、先の2作品のほか『Ant-Man』、
『Captain America』、『Thor』、『The Avengers』の4作品がライナップされている。
マーベルにとぅては次の作品につなげるためにも、今年公開の『アイアンマン』と
『超人ハルク』の興行成績が重要になるだろう。
animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2008/02/2007_2.html マーベル・エンタテインメント
http://www.marvel.com/company/index.htm