デジパークは,台湾で「StoneAge」を運営していたWayiが契約範囲外の営業を行っていた件で,
Wayiからの控訴審に勝訴した。2007年の勝訴に続き,控訴審でも勝訴したことになる。
台湾の裁判制度は三審制で,著作権違反では複製頒布などの単純なものは三審まで行くことは
ないのだが,今回は問題が大きいので三審まで行われる可能性もある。Wayiが上告した場合は,
さらに1年ほど係争が続くことになる。
この問題は,PCに限定した中国語版のみのライセンスを与えられたWayiが,Gameboy Advance版の
StoneAgeや,英語版,韓国語版のライセンスを勝手に第三者に与えていたことにある。
契約内容から外れているんだから,勝って当たり前じゃないかと思う人も多いだろうが,海外では
日本の常識が通用しないことも多々あったり,日本でも一度契約してから契約内容の無効を
訴えるような人もいるので,世の中はそれほど簡単ではない。
今回の件が著作権問題として争われている点は少し興味深い。台湾と日本は正式な国交がない
状態だが,台湾のWTO加盟とともにTRIPS協定発効などに基づいた訴訟が行えるようになっている。
おそらく複製権の侵害,頒布権の侵害などが争われたものと思われるが,契約問題など民事的な
裁判よりも刑事裁判が優先されることなどによるものだろうか。ただ,著作権違反の罰金は
日本でもさして高額なものではない。ちなみに台湾での著作権法違反は,3年以下の懲役や
50万元(1台湾元は約3.3円)以下の罰金,常習犯への罰則でも7年以下の懲役ないし300万元以下の
罰金となっている(弁護士費用は1時間8000元くらいだそうだ)。継続して民事訴訟も行われる
のであろう。
海外企業とのやり取りは,まさに「いろんなことがありうる」状態で痛い目に遭った日本企業も
少なくない。台湾では正当な裁判が行われたようで,とりあえず喜ばしい結果となった。
デジパークはWayiとの契約解除を通知しており,そうなった場合,台湾および中国でサービス
されているStoneAgeはどうなるのかなどが注目されるところだ。
4Gamer.net
http://www.4gamer.net/games/013/G001377/20080130029/