【鉄道】「ぬれせんべい」が『鉄子の旅』につながったのはなぜ? 『がんばれ!銚子電鉄』その2

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1コロッケそばφ ★
千葉県にある銚子電鉄は、乗降客数の減少から厳しい経営状況に陥り、
2006年11月には車両の点検費用にも事欠くようになりました。

ここまでは、地方の小さな鉄道にありがちな話のように聞こえるかもしれません。
ところが銚子電鉄が他と違うのは、自ら販売する「ぬれせんべい」の売り上げをもって
経営を立て直し、復活への道を歩み始めたというところです。

このエピソードから、「鉄道会社とは思えない奇策」とか、「地方らしい心温まる助け合いの心」
といった視点から銚子電鉄の話をする方もいらっしゃると思います。しかし、それでは、
車両の点検費用も払えなくなった鉄道会社が立ち直れた「理由」を見過ごしてしまうかもしれません。

>>2へ続く

日経ビジネス オンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080125/145410/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080125/145410/ph1.jpg
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080125/145410/ph2.jpg
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080125/145410/ph3.jpg
http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080125/145410/ph4.jpg
日経BP書店|商品詳細 - がんばれ! 銚子電鉄
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P46400.html
銚子電鉄の日記帳
http://blogs.yahoo.co.jp/choshidentetsu/
向後功作の銚子散歩
http://blog.livedoor.jp/kugkusk3/
潮風とロマンのふるさと-銚子電気鉄道-
http://www.choshi-dentetsu.jp/
関連
【鉄道】「敗北宣言」が呼び込んだ奇跡の復活 『がんばれ!銚子電鉄』その1
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1201181175/
2コロッケそばφ ★:2008/01/31(木) 00:18:12 ID:???
■ただの奇策では人もメディアも動かない

銚子電鉄の復活劇には、メディアが大きな役割を果たしました。テレビや新聞が、繰り返し
「ぬれせんべい騒動」を伝えなければ、多くの人が銚子電鉄の経営状況を知ることはなかった
はずです。また、インターネットがなければ、我々が情報発信することもできず、銚子電鉄を
心配した方々がネット掲示板で支援方法を相談したりすることもできなかったでしょう。

メディアへの露出や、メディアの利用は、地方が生き残るために欠かせないものです。それは、
就任1年で宮崎県の景気を劇的に改善した東国原知事の例を挙げるまでもなく、明らかなことです。

また、銚子電鉄の「ぬれせんべい騒動」は、企業がメディアとどう付き合っていけば
いいのかを考える、ヒントにもなると思います。

私は銚子電鉄の鉄道部で、車両や施設を管理する仕事をしています。2006年11月に厳しい
経営状況が明らかになると、私も社員の一人としてメディアから何度も取材を受けました。
その経験から、メディアの果たす役割について考えるようになったのです。

2007年12月末に、銚子電鉄とメディアの関係を象徴するような「行事」がありました。
それは、銚子電鉄で行われた「鉄子カラー車両」のお披露目会です。

「鉄子カラー車両」とは、『鉄子の旅』という鉄道マンガを描いている漫画家の菊池直恵さんが
デザインを考えた車両です。小学館と銚子電鉄が共同で企画したもので、特別にペイントした
車両を走らせようというわけです。

この特別車両のお披露目会には、マンガに登場するトラベルライター横見浩彦さんや、
担当編集者の神村さん、編集長の江上さんを始め、鉄子の旅にゆかりのある方が参加しました。
しかも、プレスツアーが組まれて、数十人ものメディアの方が取材してくださったのです。

>>3へ続く
3コロッケそばφ ★:2008/01/31(木) 00:18:18 ID:???
■結果としてのクロスメディア化

鉄道会社と出版社の共同企画を、テレビ、新聞、雑誌、ネットメディアなどが取材し、
ニュースにする。これはまさに、「クロスメディア」もしくは「メディアミックス」と
呼べるものではないでしょうか。そして、銚子電鉄が注目を集めたのも、結果として
クロスメディアだったと言えると思うのです。

銚子電鉄が大きく取り上げられた背景には、鉄道がちょっとしたブームになったことも
関係しています。テレビでは、鉄道を題材としたアニメやドラマが製作され、専門誌ではない
雑誌でも鉄道に関する特集が組まれることが多くなっていました。

そんな鉄道ブームの口火を切ったのが、『鉄子の旅』だといえます。鉄子の旅は、
2002年から2006年まで、月間漫画雑誌で連載されました。2007年6月にはアニメ化もされ、
鉄道好きな人のみならず、広く人気を集めていました。

鉄子の旅は、鉄道にはそれほど興味がなかった漫画家の菊池直恵さんが、大の鉄道ファンである
横見浩彦さんと、日本全国の鉄道を旅するというものです。横見さんは、JRと私鉄すべて
合わせた9843駅を乗下車したというすごい経歴の持ち主で、作品のなかでは菊池さんが
次第に感化されて、鉄道に詳しくなっていきます。

鉄子の旅は、個人的にも好きな作品です。2007年の春にちょっとした事故でケガをして、
私が入院していたときに知人が差し入れてくれたのが鉄子の旅だったのです。とても面白く、
一気に全巻読んでしまいました。実際に鉄道会社で働いている経験からも、
共感できるポイントがあると思います。

銚子電鉄も鉄子の旅に登場します。第1巻では、「銚子電鉄の全駅乗下車」というお話が
収録されています。また、アニメの放映にあわせて「横見浩彦さんといく銚子電鉄全駅乗下車の旅」
というツアーも企画されました。

そして、2007年12月には、鉄子の旅限定版として『銚子電鉄応援BOX』が発売されました。
カラー版「鉄子の旅」5冊と、「鉄子カラー車両」の模型、書き下ろし「銚子電鉄応援冊子」
がセットになったものです。

実は、鉄子のカラー車両が企画されたのは、この『銚子電鉄応援BOX』にあわせてのことだったのです。
というと、「なんだ、宣伝じゃないか」と思う人がいるかもしれませんが、
単純に「宣伝」とは言い切れないところがあると思います。

>>4へ続く
4コロッケそばφ ★:2008/01/31(木) 00:18:24 ID:???
■「宣伝」だけではダメ

それは、「共感」です。

横見さんを始めとする関係者が、銚子電鉄に共感し、「なんとか応援したい」という気持ちで
作ったのが『銚子電鉄応援BOX』なのです。その証拠に、BOXの売り上げの一部が応援金として
銚子電鉄に贈呈されることになっています。

共感は、地方の鉄道や、地方都市がメディアに取り上げられる際に、とても重要だと思います。
何も「心温まるいいニュース」として取り上げられるのがよい、と言っているわけではありません。
そのニュースを受け取った人が、共感して、「自分も何かできないだろうか」と思わなければ、
大きな動きにはつながらないのです。

銚子電鉄が「ぬれせんべいを買ってください!」とホームページで訴えたのは、
2006年11月のことでした。それを見た人が、インターネット通販でぬれせんべいを購入し、
自分のブログやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の日記に銚子電鉄について書き、
さらに多くの人に広まっていく。そして、インターネットの盛り上がりを見て
マスメディアが取材してくれたのです。

共感を得るためには、情報の出し方(取材のされ方)も重要です。記事を書く記者やニュースを
伝える人が共感しなければ、視聴者や読者は共感できないからです。私は、ぬれせんべいの
販売が伸びて車両の検査費を支払うメドがついたとき、テレビの取材で号泣してしまいました。
これは、ただ必死だっただけなのですが、このときの経験から共感が大切なポイントで
あることに気づいたのです。

マスメディアで取り上げられることと同じくらい大切なのは、インターネットを通じた情報発信です。

「電車運行維持のためにぬれ煎餅を買ってください!!電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」

こんな風に、不器用ながらも声を上げたからこそ、多くの人が銚子電鉄のために行動して
くださったのです。インターネットでメッセージを発信したのは、初めこそある社員の思いつき
でしたが、それ以降は、応援してくださる人のために、会社として情報を出そうと努めました。

>>5へ続く
5コロッケそばφ ★:2008/01/31(木) 00:18:31 ID:???
■様々な人が応援してくれたのは

インターネットのいいところは、情報の流れが双方向だということです。多くの方から、
「支援したいのだけれど、どうすればいいか」といった問い合わせや、
応援のメッセージをいただきました。

ぬれせんべいの注文メールに添えられた温かい言葉に、どれほど励まされたことか。

掲示板で支援方法を話し合っていたグループは、車内吊り広告を買うことで、
銚子電鉄を支援してくださいました。そして、ボランティアで駅の清掃までしてくれたのです。

駅の清掃のときは、私もみなさんに会ってお礼を言うことができました。その様子は、
朝日新聞の記者さんが取材して記事にしてくれたのですが、なんと、みんなの集合写真が
紙面を飾ったのです。ネットの掲示板では、基本的に匿名で活動されているので、
写真には写りたくないのではと思ったのですが、「銚子電鉄のためになるなら」と、
撮影を快諾してくれたのです。

これも、銚子電鉄に対する「共感」ゆえ、ではないでしょうか。

鉄子の旅の他にも、クロスメディア的な展開といえるのが、ハドソンとの共同企画です。
ハドソンは、「桃太郎電鉄」という人気の鉄道ゲームを手がける会社なのですが、
桃鉄のキャラクターを描いたラッピング車両を走らせることになったのです。

この車両の出発式には、ゲーム監督のさくまあきらさんや、キャラクターデザインを手がける
土居孝之さんもいらっしゃいました。さくまさんは、「桃太郎電鉄はまちづくりがテーマなので、
こういった実際のまちづくりに参加できてうれしい」とおっしゃっていました。

さらに、ハドソンとの共同企画第2弾として、桃鉄キャラクターの石象を設置することに
なりました。これも、駅を訪れる人に好評です。

■「なんとかしなければ」という思いこそ

ラッピング車両や石造は、「宣伝」なのでしょうか。確かに宣伝効果はあるでしょう。
しかし、ゲーム会社のみなさんが、銚子電鉄に共感しなかったら、このような企画は
生まれなかったと思います。そして、ゲームのファンも、このニュースを通じて
銚子電鉄に共感を覚えて、応援したいと思ってくれたかもしれません。

マスメディアでの報道や、インターネットでの情報発信、企業とのコラボレーションは、
地方の鉄道会社や、地方都市を盛り上げるための、「妙薬」となるでしょう。
注目を集め、地元の人と外の人が、「どうにかしなければ」と思い、行動に移すことで、
新しい「何か」が始まるのです。

その「何か」は、銚子や、他の地方鉄道を抱える町でも、すでに始まっています。
鉄道を残し、町を活性かするための秘策。それは、「まちづくり」です。
次回は、私がライフワークにしている、まちづくりについてお話ししましょう。
6なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 00:30:16 ID:7yEGm5iv
( ;∀;)イイハナシダナー
7なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 00:41:41 ID:6C4orVLV
アニメ2期マダー?
8なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 00:52:06 ID:K+eLV+eA
情報の発信方法か…
そうなんかなぁ。。
9なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 01:11:36 ID:vtLmG9Oo
>>1
鉄道板でやれ
氏ね
10なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 01:13:51 ID:60AAA8/+
銚子電鉄は経営苦しく貧乏だけど、
ちゃんと企業努力もしてるし、
何よりも悲壮感が無いのが(・∀・)イイ!
11なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 01:16:15 ID:2OO2hF8y
>>7
あのクオリティーなら二期はいらない
12なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 01:26:20 ID:kPQWrrd5
しかし、何事もまず食い物に関心を持つことが(食い物であれば何でもいいという感じすらする)、その物事への関心を持つきっかけになるというところは、

食い意地の張った日本人(特にいわゆる「スィーツ」をはじめとするオバタリアンたち)の卑しいところだな。
13なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 02:34:52 ID:liFht/3n
ぬれせんべいおいしかったよ
14なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 02:41:23 ID:dvMWLCC3
街づくり、、、、を
道作りとおもてる、政府、与党にきかせてあげたい!
15なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 04:00:41 ID:EyK2Y7dD
>>12
そのとおり。グルメブームは確実に日本人を劣化させた。
鯨にしろコメにしろ食い物のことしか他国に意見したり、反論できないのも
困ったもんだ。捕鯨は文化、ってたかが食い物だろ。ほかに譲歩すべきじゃ
なかったことが山ほどあるだろうに。
16なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 05:53:15 ID:medEls9U
>>15
捕鯨は中途半端に譲歩したから今みたいになったんだよ
ノルウェーみたいにふんばる時にふんばってれば
今でも堂々と商業捕鯨できたんだが
17なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 07:41:37 ID:fIQI+T1q
。・゚・(ノД`)・゚・。
18なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 07:42:23 ID:G5cBR3Lc
>確かに。珍しく熱く反論してるかと思ったら、実はもともと弱腰だったツケ
が回ってきて、いまごろあせってる、ってとこか。まあ食は芸術とか、重要な文化
といわれるとちょっと?となるけど、銚子=しょうゆ=ぬれせんべいという
流れは筋が通ってるとは思う。がんばってほしいな。


19なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 11:22:32 ID:PJaUa7LM
ぬれせんブームの一翼は2ちゃんが担ってたと思うのだが、
それに対する謝辞とかは銚子電鉄からは聞こえてこないな。
20なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 11:29:35 ID:SWgyUD1B
>>19
別のページにあるよ。
コラムの前のほう見てみたら?
21なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 11:38:28 ID:IWsyqPvo
そういう時ねらーなら
「俺はただ煎餅が食べたかっただけだ」
と言うものだろ?w
22なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 12:31:10 ID:Y/akb9FX
桃子電鉄に見えた
23なまえないよぉ〜:2008/01/31(木) 12:40:25 ID:UdCDm1+g
黒柳でございますが何か?
24なまえないよぉ〜
銚子からかなりの近所に住んでるが今色々と初めて知ったわw