パソコンに打ち込んだ文字を自在に音声に変換できる「次世代音声合成技術」を使った
サービスや商品が、相次ぎ登場しています。アニメキャラクターに自由にせりふを話させる
サービスや、仮想アイドルにユーザーが作成した歌詞やメロディーを歌わせるソフトが
爆発的なヒットを記録しています。ユーザーが感情移入できるほどリアルな音声を生み出す
これらの技術は、今後エンターテインメント分野のみならず、多方面での活用が期待されています。
音声合成は、人が発する文章のアクセントなどを解析し、それを音声として生成する
ソフトウエア技術です。すでに駅のアナウンスや電話の応答などで実用化されています。
これまでは企業のコスト削減を目的に利用されるケースが大半でした。
この技術が個人でも利用できるようになった背景には、
利用者のパソコンの処理性能が飛躍的に向上したためです。
次世代ともいえる音声合成技術の火付け役となったのは、クリプトン・フューチャー・メディア
(札幌市)が昨年8月に発売した「初音ミク」というソフトです。同名の女性キャラクターに
ユーザーが作詞・作曲した歌を自由に歌わせるというもので、ネット上の掲示板や
動画配信サイトなどで人気が広がり、昨年末までに2万7000本を売り上げる
ヒットを記録しました。
初音ミクの声はもともとは実在する声優の声ですが、ヤマハが開発した
「周波数ドメイン歌唱アーティキュレーション接続法」という技術を利用し、
自在に歌わせることができるようになりました。ユーザーは画面上でメロディーを打ち込み、
歌詞を日本語で入力するだけで、あたかも本物の人間が歌っているかのような、
なめらかな音声になっています。
NECビッグローブも昨年12月、TBSの深夜番組「ローゼンメイデン」に登場する
キャラクター「真紅(しんく)」に、ユーザーが作成したせりふを自由に話す実験ウェブサイト
「アリス・プロジェクト」を開設。開設直後からネット上で話題を呼び、
今月中旬までにユーザー登録数が1万1000人を突破しました。
アリス・プロジェクトには、NEC中央研究所が開発した音声合成技術が採用されています。
「文章を読むことに重点が置いて開発した」
(同プロジェクトを考案したNECビッグローブの杉浦淳パーソナル事業部マネージャー)といい、
ユーザーが打ち込んだ文字をサーバー上でわずか数秒で合成、再生できます。
複雑に変化するイントネーションを自在に表現できるのが特徴で、どこで発音を強調するのか、
間合いはどこで取るのかといった詳細な設定も可能です。
文章を読む早さや、音の高低なども設定できます。
NECビッグローブでは今後数カ月、この実験サイトを公開し、
「ユーザーがどのようにせりふのアクセントやスピードなどを修正したかを分析し、
音声合成エンジンの高度化につなげる」(同)計画です。今回の実験を踏まえて、
携帯電話の着信音やテレビ番組の宣伝への活用など、多分野でのビジネスにつなげることを
検討しているといいます。
今後さらに技術の応用が進めば、身の回りにあるさまざまな商品やサービスが
格段にリアルなものになりそうです。
FujiSankei Business i.
http://www.business-i.jp/news/for-page/naruhodo/200801220001o.nwc クリプトン | VOCALOID2特集
http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/ ローゼンメイデン アリスプロジェクト
http://alice.biglobe.ne.jp/ 関連
【声優】バーチャル歌手ソフト「初音ミク」(cv藤田咲)が売り切れ店続出の人気
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1189089118/ 【ネット】ローゼンメイデンの「真紅」が入力されたテキストを即座に音声合成! 無料で楽しい実験サイト登場!
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1197873459/