【ゲーム】世界市場と同じ比率で売っていく――世界市場にゲームで挑み続けるカプコン 辻本春弘氏インタビュー

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1コロッケそばφ ★
家庭用ゲーム機の急激な性能進化。徐々にプレーヤーはその進化に順応しつつあるが、
作り手はどうなのだろうか。特に日本のソフトメーカーは北米や欧州の企業に
技術面で押され、国内でも徐々にその勢いを減じつつある。

そんな中、グローバルな市場で対等に戦っている会社がある。
業界でも老舗のカプコンだ。Xbox 360の市場でいち早く海外に殴り込みをかけ、
「デッドライジング」や「ロスト プラネット 〜エクストリーム コンディション〜」
など数々のタイトルで欧米ファンの心をきっちりと捕まえた。

また、ニンテンドーDSやWiiなどのプラットホームで、各社がライトユーザーを中心とした
製品展開をする中、カプコンは「逆転裁判」シリーズや「バイオハザード4 Wii edition」
などゲーマーたちの支持を集めてる作品を数多く提供している。

ゲーム業界のハードコアを狙うといえるその戦略の真意はどこにあるのだろうか。
2007年7月に代表取締役社長に就任した辻本春弘氏に、多様化するゲーム業界の現状と、
その中でのカプコンの今後について聞いた。

>>2へ続く

CNET Japan
http://japan.cnet.com/sp/game2007/story/0,3800082083,20364110,00.htm
http://japan.cnet.com/story_media/20364110/capcom-001.jpg
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http://japan.cnet.com/story_media/20364110/capcom-003.jpg
http://japan.cnet.com/story_media/20364110/capcom-002.jpg
2コロッケそばφ ★:2007/12/28(金) 00:38:11 ID:???
――ゲーム業界が多様化してきています。

家庭用ゲームビジネスがスタートして20年強。技術の革新、ビジネスの多面化、
市場の拡大などがあって、ゲーム機メーカーの戦略にもそれぞれ独自性が出てきました。

ユーザーへのアプローチもいろいろな方向からしていかないといけない。
日本だけではなく、北米、欧州、そしてアジアなどへと市場も広がってきています。

産業が成長していく過程において多面化は必然です。これは健全な状況で、
止めようとしても止まるものでもありません。さらに今後も広がっていくと思います。

――こうした状況の中、カプコンは「デッドライジング」や「モンスターハンター」など、
どちらかといえばコアなゲームプレーヤーを重視しているように見受けられます。

まず、カプコンが長年培ってきて得意としているもの、カプコンを支持していただいている
ユーザー層に対して注力することを考えています。我々はしっかりとゲームを作り込む、
重厚な作りが得意ですから、その結果としてユーザー層がコアになっている、
といわれればそうかもしれない。しかし、それは結果であり目標ではありません。

――一方、市場ではライトユーザー向けのソフト、たとえば「Touch! Generations」シリーズ
のようなものが多く流通しています。「逆転裁判」シリーズなどは比較的近いような
気もしますが、明確にゲームであるという主張も見えます。

やはりカプコンは「ゲーム屋」ですから。今我々が持っているリソースを活用して面白いものを
展開できるなら、Touch! Generationsのようなジャンルでもかまわない。ただ、その種の
ソフトが売れているからそれをやろう、というようには思いません。二番煎じってのは
成功しないと思うんですよね。それはうちの開発者も望んでないし、ユーザーもカプコンに
そういう分野は望んでいないでしょう。まず、得手なことをやらなくてはいけない。
不得手なことを今わざわざやらなくてはいけないほどタイトルに苦慮してはいません。

――次に、Wii、Xbox 360、PLAYSTATION 3(PS3)の市場におけるバランスはどう評価しますか。

難しい質問です。特にWiiを購入しているユーザーが、従来任天堂が得意としていた
家族層や子ども、といった簡単なくくりではなくなっている。「Wii Fit」のような
商品も出て、どういう方が購買層にいるのか予想できなくなってきています。

今までと違うことをやっている点については、ユーザーから良い反応があるだろう。
しかし、ホントにゲームをやりたい人たちがどのハードを支持していくのかというのは
早々には結論は出せない。PS3も安くなりましたし、この年末商戦の後、2008年1〜2月以降に
明らかになってくると思います。

――逆に、Wiiも単なるファミリー向けのおもちゃにはとどまらないという可能性もありますか。

もちろんその通りです。そんな簡単なものではないでしょう。任天堂さん自身が考えられてるのは
新たなユーザーに向けてゲームを展開していくということですから、
(Wii発売から現在までの)今までの経験値だけで語れるものではないでしょう。

>>3へ続く
3コロッケそばφ ★:2007/12/28(金) 00:38:20 ID:???
――Xbox 360とPS3の今後はどう見ますか。

Xbox 360は、この年末がハードの売り上げを伸ばせるいいチャンスだと思います。
Xbox 360とPS3はよく比較されがちですが、それぞれ違う特性を秘めている。
その特性を押し出せばこの年末年始は可能性があると感じています。

PS3については、我々もハードに適合した良いソフトを提供していくつもりです。
これがあるからハードを買ってもいいかなあ、とユーザーに思ってもらえるソフトを
提供できればと。開発もそのレベルの出来栄えになるモノを作っています。

――「モンスターハンター3」をPS3ではなくWiiで発売するというのは衝撃的でした。
PS3についてある種のユーザーセグメントの評価があったのかな、
とちょっとうがった見方もしてしまうのですが。

カプコンのソフトの作り方は、やはり「まず企画ありき」なんです。面白い企画が先にある。
その企画が対象とするユーザーがいて、その次にハードを選定する。モンスターハンター3
についても、「まず新たな遊びを追加する、それにはどのハードがいいか……Wiiだ」
ということで選定したんです。モンスターハンターはアクションゲームですから、
コントローラでいろいろ楽しめます。「モンスターハンター」の企画を広げるには
ぴったりだったわけですね。

――現世代機のネットワーク対応についても伺います。まずソフトの流通に関してですが、
任天堂が「Wiiウェア」を発表し、プラットホームが全機種ネットワーク対応と
なったわけですが、これに対する取り組みは。

米国ではかなり一般的だと思います。が、日本はどうしてもパッケージで買ってくる
という文化がある。それでもiTunes Storeのように、今まで考えられなかったような
販売形態が出てきて、それが日本でも主流になりつつあるです。臨界点を超えれば
日本でもこうしたダウンロードビジネスの可能性はあると思います。

ゲーム以外のコンテンツ、たとえば映像にしろ音楽にしろ、もう直接物理メディアから
見る、聞くなんてことはなかなかしてないじゃないですか。放送だって、
ハードディスクレコーダで録って見る。見るだけの番組をDVD-Rに直接録画しないでしょう(笑)。
コンテンツ全般がハードディスクなどのストレージベースへ指向しています。
ゲームも将来はこの方向になると思うんですけどね。

>>4へ続く
4コロッケそばφ ★:2007/12/28(金) 00:38:28 ID:???
――もうひとつ、ネットワーク対応で注目されるのはマッチング(対戦、協力プレイなど)です。
カプコンは古くからKDDIと協業するなど、ノウハウをかなり持っていると思います。

マッチングももちろんですが、先ほどのダウンロードビジネスも含めたオンライン機能は
必須になるでしょう。もちろんすべてのゲームに付ければいいということではないですよ。
ただ、オンライン機能はゲームの付加価値として重要なものになる。開発はこうしたことを
ふまえてゲームの企画をしていかなければならない。カプコンはその点に早くから
気がついていたので、KDDIと共同で「マルチマッチングBB」をやりました。

ただ、現世代機はそれぞれ、各ゲーム機メーカーが見ている方向が微妙に違う。
それを見定めた上で進めていかないと、とは思います。現世代機のハード戦争において
明暗を分けるのは、このネットワーク対応についての取り組み方かもしれないですね。

――これに関連して気になっているのが、ネットワーク対応をしたときの
企業的コストの増大についてです。

確かにゲームを開発するコストよりネットワークサービスを維持するコストのほうが
かかるとは思います。しかも、これは基本的にずっと続けていく性質のものですから、
どのくらいのコスト増になるかと言われれば計り知れない。パッケージビジネスのように
人月で計算できませんから。

これに加え、加入者の人数から割り出されるサーバや運営のコストが発生する。
さらにある一定期間でアップデートも行うため、追加開発のコストも生じます。
一つのオンラインタイトルを立ち上げたときは、できるだけ長いこと遊んでいただきたい
わけですから、1年とはいわず、2年、3年とこうした費用は継続して発生する。
やはり本体開発よりコストはかかります。

そこで、どのタイトルをネットワーク対応にするか、どれをパッケージ売りきりの
タイトルにするか、という戦略的な取捨選択が必要となるわけです。やっぱりすべてが
ネットワーク対応というのは難しい。他を見ても、iPodが出たからもうCDは用済み、
という世界にはなってないですよね。ネットワークというのは、ゲームの作り手たちにとって
現れた新しい環境です。この環境に適合したビジネスを考えていかないとならない。
これもゲームの多様化にいかに対応していくか、というゲーム屋への課題だと思います。

その際問題なのは、どうやって経験値を積むかなんです。カプコンにはたまたま
「モンスターハンター」という、オンラインゲームに適合したタイトルがあったから
うまく経験値を積めている。たとえば1万人しか集まらないゲームと10万人以上集まる
ゲームでは、経験の仕方って全然違うんですよ。やるべきことも違う。
「モンスターハンターフロンティア」は、もちろん収益も重要なんですが、
多くの方に遊んでいただいている経験というのが一番大きいと思うんです。
これは今後のカプコンのタイトルに流用されていくはずです。

>>5へ続く
5コロッケそばφ ★:2007/12/28(金) 00:38:36 ID:???
――国内市場以外についても伺います。
「デッドライジング」「ロストプラネット 〜エクストリームコンディション〜」など、
カプコンは北米市場で大成功したタイトルがありますね。
近年の日本のソフトメーカーとしては珍しいですね。

過去を振り返ってみると、業務用ゲーム機全盛期、ファミコン、スーパーファミコン、
PlayStationくらいまで、日本のソフトメーカーが常に優勢だったんですよ。
今の日本のソフトメーカーはどこかで間違えた道に迷い込んでるんではないでしょうか。
カプコンは過去にそうであった戦略をそのまま継続しているだけなんですよ。

――どこに問題があったと考えますか。

元々日本のソフトメーカーは、ゲーム機メーカーのほとんどが日本にあったため、
いち早く開発を開始できるという優位性がありました。ゲームビジネス自体も
日本の立ち上がりが早かったんです。その状況を北米、ヨーロッパのソフトメーカーは
追いかけていた。つまり、日本のソフトメーカーは先駆者利益を得ていたわけです。

しかし北米や欧州のソフトメーカーも経験を積んできた。海外市場は彼らがネイティブ
なわけですから、自分たちの市場に特化した作品を作りやすい。
そうした作品が欧米市場に受け入れられるのは、当たり前のことですよね。

それに対して日本のソフト販売会社や開発会社は、海外市場の文化を徹底的に分析して
適合していかなければ成功しない。ネイティブではないわけですから。
それに、欧米で受け入れられるものは、日本で受け入れられないこともある。
海外市場を優先するなら日本の市場を捨てるくらいの覚悟が必要かもしれません。

カプコンは数年前から「海外地域戦略は重点施策の一つ」と言ってきました。
カプコンの各市場売上構成比は、世界の市場構成比に準ずるものにしていこうと
行動してきたんです。

もちろん日本の市場は大切です。しかし欧米に伸びしろがあるんなら、そこに対して
リソースを投入する。その結果生まれた作品が日本で成功しなくてもいいんです。
そういう戦略をとってきたのが、今の結果につながってるんだと思います。

――逆に、欧米のソフト販売会社、開発会社が今後本格的に日本市場に攻め込んでくる余地はありますか

今年の東京ゲームショウで、まさにそうした現象が見えていました。マイクロソフトのブースで
UBIソフトの「アサシン クリード」が1時間待ちだった。マイクロソフトの「Halo 3」も
やはり1時間待ち。今まで海外タイトルで試遊待ちなんか出なかったんです。
それが国内タイトルと同等ぐらいの人気を集めている。
日本のユーザーの海外タイトルへの見方は変わってきてるんです。

欧米のデベロッパーは現行世代機種の開発にいち早く取り組んでいて、もう開発工程も
2巡くらいしてる。そうした蓄積がありますから、見た目に関してもかなりのレベル。
技術力はもう彼らのほうが上ですよ。

>>6へ続く
6コロッケそばφ ★:2007/12/28(金) 00:38:43 ID:???
――カプコンはミドルウェア開発についても積極的です。日本でこのレベルのミドルウェアを手
がけているのは、あまり例がないと思うのですが、これもやはり海外を意識してのことでしょうか。

その通りです。海外デベロッパーは一つのタイトルを多くのユーザーに楽しんでもらうため、
極力多くのハードに対して展開していこうとしています。3機種、4機種と増えていくと、
それぞれに一から開発するなんてとんでもない話になります。それらに対応するために
ハードの違いを吸収するミドルウェアを採用してきたのです。

カプコンが海外で売れるものを作ろうと考えたときに、まずジャンルやタイトルの特性を勉強した。
しかし、開発の効率性を上げなければ彼らには追いつけないんです。そこから考え、
うちの開発は「ミドルウェアを作らないといけない」という結論に至ったんです。

ところが、日本のクリエーターの意識には「総論としては分かった。でも各論としては
自分たちは自分たちのことをやりたい」という考えがあるんですね(笑)。
自分らは一から作りたいと。

いくら効率よくモノを作れる仕組みを用意しても、それを運用できなければ意味がないんです。
この意識を改革できたのがカプコン開発陣の大きな成果だと思っています。
作り方を変えましょう、そして、作り方に対する思想も変えましょうと。
他社さんでも一番苦労されているのはこの開発の意識改革という部分ではないでしょうか。

――最後にもう一度、ゲーム業界の多様化により、市場は混沌へ向かうのでしょうか。
それとも広がっていくのでしょうか。5年後から10年後のスパンをふまえて
お話を伺えればと思います。

カプコンはこれから先もゲーム会社ではあると思いますが、コンテンツ会社として変貌を
遂げようとしています。ワンコンテンツマルチユースということで、ゲームからは
映画、アニメ、あるいはトレーディングカードなどにも展開できています。この先、ゲームや
映像、漫画などの障壁というのは徐々に下がってきて融合していくのではないでしょうか。

もちろん、だからといってゲームと映画が全く一緒になるというわけではありませんよ。
まず「バイオハザード」のゲームがあって、次に「バイオハザード」の映画がある。
この2つは世界観などかぶってるところはあるけれども似て非なるものなんです。
ユーザーも違うものと認識しているはずです。その上でゲームはゲームとして、
映画は映画として進化を遂げていく。お客様の中には「バイオハザード」が
ゲームからスタートしたなんてことを知らない人もいるかもしれない(笑)。
そこが我々の狙いなんです。

他メディアへの展開を自分たちでやろうとは思いませんが、最初に我々が作り出した
コンテンツが、他メディアへ展開したときにさらに変貌していって、多くのユーザーへ
アプローチしていく。そうすれば、またゲームにも好影響がありますよ。
ゲームは他のメディアと融合しながら、さらに広がりを見せるという
展開になるのではないでしょうか。
7なまえないよぉ〜:2007/12/28(金) 00:39:12 ID:OIJcxq9I
常々申し上げておりますが、
ゲームの起源は韓国です。
本当にカムサハムニダ。
8なまえないよぉ〜:2007/12/28(金) 00:40:00 ID:MocGopmB
9なまえないよぉ〜:2007/12/28(金) 00:52:22 ID:MAW1fcme
カプンコはアメリカ重視だからPS3には独占タイトル出す気なさそうだな
10なまえないよぉ〜:2007/12/28(金) 00:59:20 ID:JdXQ1MhG
>>9
オン環境のよさで決めてるのでは?
維持費大変ってことはPS3でだすメリットないもん。
11なまえないよぉ〜:2007/12/28(金) 01:15:01 ID:aB5OjGia
そろそろCivilizationぐらいの衝撃度のを頼むぜ
12なまえないよぉ〜:2007/12/28(金) 01:18:18 ID:IGkCHuIi
ミドルウェアねえ…Wiiで使えないなんてガラクタに過ぎんだろw
ミドルウェアを使いまわす事で削れるコストと、HD解像度用に素材製作するコスト、どっちが大きいか
プログラム・システムを使いまわすっていう発想がもうダメ
13なまえないよぉ〜:2007/12/28(金) 01:38:03 ID:A0M5XT4+
モンハンの本質ってアクションだったのか
知らなかった
14なまえないよぉ〜:2007/12/28(金) 01:56:20 ID:xIhTAr3p
>>13
うん、GANTZみたいな感じ。
15なまえないよぉ〜:2007/12/28(金) 03:30:37 ID:q9VC37mC
「もう、死のうかと思ってました・・・」
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16なまえないよぉ〜
ネットワーク対戦にかかる費用って箱○だと
MSがマッチングサーバ用意してあとはユーザ間のP2Pだから
ソフトメーカーがサーバやらの設備作る必要無い、って認識でいいのかね?