オンラインゲーム「セカンドライフ」のヒットで、ゲームの中に商品を表示したり、商品の
キャラクターを登場させたゲームをネットで配信する「アドバゲーム」が注目を集めている。
そんな中、フジテレビが展開するゲームが驚異的な効果を上げている。業界から注目を集める
アドバゲームの“秘密”を探った。
「アドバゲーム」とは、ゲームの背景に実際の店舗を表示させたり、マスコットキャラクターを
ゲームキャラとして登場させるといった手法の広告で、アドバタイズメントとゲームを合わせた
造語だ。ファミコンがブームとなった80年代にゲームの演出として、企業の看板などを表示する
形で始まった。「帰ってきたマリオブラザーズ」を永谷園のスポンサードでソフトを安価に提供して
注目を集め、さまざまなゲームで試行錯誤が続いた。
その流れが強まったのは、90年後半にインターネットが普及し、フラッシュなどで簡単なゲームを
無料で提供できるようになってから。特に米で 1000万人が参加する「セカンドライフ」で企業が
独自のスペースを確保し、サービスを提供して効果を上げてから、企業の参入がブームになった。
そんな中フジテレビは、同社のサイト「お台場ランド」で06年4月に「ミント畑をカラスから守る」
というチロルチョコの広告ゲームを公開。ギャグマンガ家の和田ラヂヲさんがデザインしたキャラが、
マラカスを振ってカラスを撃退するというゲームで、利用数は想定の9倍超となる約9万回、
ゲームのページに表示される広告をユーザーがクリックした割合(CTR)は142%という驚異的な
実績を残した。
元々同サイトでは、同社が夏休みに開催するファミリー向けのイベント「お台場冒険王」の
PRのため、ミニゲームを提供していた。04年、人気アニメ「ワンピース」のキャラが登場する
ガチャガチャゲームを提供し、アイテムを集めて申し込むと抽選で「ゴーイングメリー号」の乗れる
というキャンペーンを実施すると、2カ月で数万人の動員を達成。「これだけアクセスがあるなら
広告になるのでは」と広告代理店に持ちかけ、アドバゲームの展開が企画された。
その後、ウォルト・ディズニー・ジャパンのサイト「トゥーンタウン」や日清食品の「チキンラーメン」、
KDDIの携帯電話「ジュニアケータイ」などのアドバゲームを展開した。特にチキンラーメンでは、
ゲームをクリアしてオリジナルグッズをプレゼントするキャンペーンに約3600人が応募。
1%程度が通常のCTRも73%と好結果を残し、その後の営業では効果の高さを代理店に信じて
もらえないほどだったという。また、旅行代理店「クラブメッド」の沖縄ツアーのキャンペーンでは、
1人10万円のツアーに100件の申し込みがあるという大反響だった。
この驚異的なアドバゲームを開発した同社の田平正雪プロデューサーは、クライアントの要望を
直接聞きながら、即興でラフを仕上げて大枠を決め、2週間でゲームを制作するといい、
「商品のコンセプトを踏まえ、それを生かしたゲームを作るのが大事。ゲームがあればいい
というものではない」と語る。
通常の広告と違い、ゲームとしての面白さが要求されるため、制作ペースに限界があり、
ビジネスをどう大きくしていくかが課題という。「セカンドライフ」をはじめ、さまざまなオンライン
ゲームがしのぎを削る中、畑違いのテレビ局からアドバゲームを成功させた田平プロデューサーは
「将来、ゲームのプランナー(企画者)とは別に、アドバゲーム・プランナーができるかも
しれませんね」と話す。アドバゲームが業界を変えるのか、今後も目が離せない。
毎日jp
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20071213mog00m200014000c.html