先進国の10分の1以下の低賃金を背景に、ベトナムでソフトウエア産業が拡大している。
政府も産業育成に力を入れており、IT(情報技術)サービスで先行する
インドや中国を追い掛ける。
ホーチミン市郊外にあるソフト関連会社グラスエッグ。ベトナム系米国人のフィル・チャン氏が
1999年に設立した。マイクロソフトやセガといった大手ソフト会社からの委託で、
120人を超える「アーティスト」が黙々とパソコンの画面に向かい、ゲームソフトの中に
登場する自動車や建物、人物といった素材を作成している。
社員の最低賃金は月250ドル(約2万7500円)で国内の一般企業より高めだが、
「インドや中国の同業種よりは安い」という。自動車1台のデータ作成に
約40日かかるなど、ゲーム制作には労働集約的な面がある。
チャン氏は旧サイゴン(現ホーチミン)生まれ。ベトナム戦争終結の75年に米国に移住、
90年代半ばに戻ってきた。当初コンピューターの専門家を雇ったがうまくいかず、
美術学校の卒業生に任せたら良い作品ができたという。
地元の業界団体によると、ベトナムのソフトウエア産業の規模は2005年時点で
約2億5000万ドル。年2けたのペースで急拡大中だ。チャン氏は現在
「ベトナム初のゲームソフトを制作中」で、
下請けから本格ゲームメーカーへの脱皮を目指している。
FujiSankei Business i.
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200711190019a.nwc