アニメ製作・オンラインゲームのGDHの業績回復している。同社の連結決算は前期末が
経常損失19億3000万円、当期純損失で25億9000万円になっていたが、今期は一気に
黒字決算に反転しそうだ。
11月15日にGDHが発表した平成20年3月期中期連結決算は、売上高こそ40億7400万円と
前年同期比で16.3%減となったものの営業利益は1億9700万円、経常利益は1億7000万円、
当期純利益は8900万円といずれも黒字となっている。特に営業利益と経常利益は
当初の見通しをそれぞれ19.5%、31.3%上回った。
GDHによれば売上高の減少は、9月末までに制作納品を予定していたオンラインゲーム作品と
アニメ作品の納入が遅れたためである。一方で、収益の増加は、過去の作品の版権収入が
計画を上回ったためとしている。
版権収入の増加は、投資資金の回収にリスクが高い製作出資金をより短期間で償却することで、
出資金からの収益がこれまでより顕在化しやすくなっていることが理由にありそうだ。
事業ごとでは、アニメ制作事業の売上高が18億7800万円(前年同期比22.2%減)、
営業利益が3億2500万円となる。この期に制作した作品は『瀬戸の花嫁』、『風のスティグマ』、
『ロミオ×ジュリエット』、『ぼくらの』、『ドラゴノーツ−ザ レゾナンス−』である。
またライツ事業では、『RED GARDEN』、『N・H・Kにようこそ!』、
『パンプキン・シザーズ』、『ブレイブ ストーリー』、『ロミオ×ジュリエット』、
『ぼくらの』の2次利用収入、さらに『マスター オブ エピック〜The Animation Age〜』、
『RED GARDEN』、『パンプキン・シザーズ』のDVD発売事業が加わる。
売上高は14億6200万円(前年同期比26.1%減)、営業利益は1億7500万円である。
オンラインゲーム事業は今期も好調を続けている。『ナイトオンライン』、
『Master of Epic〜The Resonance Age Universe〜』がいずれも堅調で、オンライン事業を
含むメディア事業の売上高は6億2200万円(前年同期比41.2%増)、営業利益は9700万円
(前年同期比681.1%増)といずれも前年同期を大きく上回った。
また海外売上高では、前年同期にはほとんど実績のなかったアジア・オセアニア、
ヨーロッパでの売上がそれぞれ2億4700万円と9400万円となっている。これにより
海外売上高は前年同期の全体の9.2%から16.0%に上昇した。
同社がこれまで得意としていた北米市場でなく、より広い地域に対して営業を拡大している
様子がみてとれる。こうした結果、同社が掲げる平成20年通期連結決算での
営業利益、経常利益、当期純利益の黒字化は視野に入ってきたと言えるだろう。
GDHは通期の見通しとして、アニメ制作事業での高い利益率の実現、ライツ事業の積極展開を
挙げている。また、同社が得意とするクールアニメをメジャーにとの目標を掲げ、
『アフロサムライ』の事業展開をさらに推進するとしている。
animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2007/11/gdh_9.html GDH
http://www.gdh.co.jp/