http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/002615620030226004.htm 印刷関係で申しますと、元売を東京一極に集中しております。今これがまた問題に
なっておりますけれども、東京にしか日販とかトーハンとかいう元売会社はございません。
したがって、関西で出版していたエコノミストやPHPは発行が一日おくれる。大阪で印刷した
本を川一つ挟んだ尼崎で売るためにも、必ず東京へ持ってこなけりゃならなくなっております。
これは非常に強い犠牲でございます。したがって、雑誌の場合は締め切りが一日早くなる。
これで東京以外で雑誌をつくることができなくなりまして、全部東京へ無理やり移しました。
これは国土政策懇談会でも何回も問題になりましたが、政府、官僚の方は頑固に譲りません。
香川県や長野県でも元売をつくろうという動きがありましたけれども、ことごとくつぶされてしまいました。
また、電波につきましては、世界に類例のないキー局システムをつくって、キー局は東京にしか
許されていない。そして、キー局でないと全国番組編成権がございませんから、すべて
東京都スルーの情報しか流れないようになっています。
さらに、文化創造活動も東京に集中いたしました。だから、特定目的の施設、例えば歌舞伎座で
ありますとか格闘技専門体育館でありますとかいうのは、補助金の関係で東京にしかつくれないように
なっています。これで歌舞伎役者は全員東京に住むようになって、関西歌舞伎は一人もいなくなりました。
あるいはプロレス団体も、東北地方にみちのくプロレス、大阪に大阪プロレスがあるだけで、
四十団体はことごとく東京に集められました。
さらに、最近は、BS放送七局を全部東京にしか許可しないという制度になっています。
こういった官僚の強引な、コストを無視した集中制度によって東京に集まっている、このことも
重要なことだと思っております。したがいまして、日本全体が一律の情報環境になり、大量販売、
規格大量生産には向いておりましたが、没個性、均質社会になった。対面情報を重視するために、
人脈重視、選別的な官僚主導が行われるようになりました。