美人画で知られ、大正ロマンを語る上で欠かせない画家、竹久夢二の遺作などを展示する
美術館「竹久夢二伊香保記念館」(渋川市伊香保町伊香保)が、夢二の業績や記念館の役割を
まとめた漫画本の制作に乗り出した。「観光客だけでなく、地元の子供たちに夢二と記念館の
役割についての理解を深めてほしい」と、文化庁の補助を受けて進めている。年末に3000部が
完成する予定で、同市内の全中学生に無料配布する。
漫画制作は、地域に開かれた美術館づくりを目指して文化庁が今年度始めた「ミュージアム
タウン構想」推進事業の一環。全国から51件、県内からは3件が採択され、経費は同庁が
全額補助する。
同館の入場者は観光客がほとんどで、同館には「実は、地元住民とは、これまであまり交流が
なかった」という反省もあった。そこで、「感性をはぐくんでいる最中の子供たちに作品などを
通して、夢二が愛した地元の良さなどを理解してもらおう」と、補助金申請を決めた。
漫画は、同館の監修のもと、愛知県出身の漫画家・柳葉あきらさんが手がけ、約100ページの
冊子化を予定。内容は、夢二の作品紹介だけでなく、「記念館のこだわりを知ってもらいたい」
と、作品の展示から建物、庭園に至る総合的な演出方法までも解説する。
完成後は、木暮享館長や学芸員が本を市内全中学校に直接持参する。漫画をテキストに、
対話形式で、伊香保を愛した夢二の人柄や美術鑑賞の楽しさなども教えることを検討中だ。
また、同館の一連の事業は、「子どもに知ってもらう竹久夢二と地元美術館」とのタイトルで、
市立伊香保小とは漫画制作と平行して連続講義も開催予定。すでに5、6月にはプレイベント
として、同館が所蔵する蓄音機などを題材にした講義も行っている。
11月の講義では、同館の設計に携わった建築士や国内有数とされる造園技師を招いて、
5、6年生に話してもらう。
木暮館長は「本物の芸術に触れることは、子供にとり貴重な経験。この時期に、『本当の美』を
理解できるようになれば、一生の生活が変わってくる。その手助けになれば」と意気込んでいる。
YOMIURI ONLINE(2007年9月25日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news001.htm