【ゲーム】なぜ「ファイナルファンタジー」はいつまでも強いのか?

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1あやめφ ★
5月12〜13日。幕張メッセで「スクウェア・エニックス パーティー2007」が開催されました。
同社の新規タイトルを体験プレイできる展示会です。2日間で7万5000人を超える入場者があり、
大盛況となりました。

写真ではスライムが目立っていますが、会場で目を引いたのは、やはり「ファイナル
ファンタジー」(以下FF)というブランドの強さです。

私たちは、ついプレイステーション(PS)3で開発されている「ファイナルファンタジーXIII」
だけに注目してしまいがちですが、「FF」ブランドの強さは、むしろ多種多彩な外伝シリーズ・
移植シリーズを、各種ハードで多角的に展開しているところにある。それを肝に銘じて
おかないと、メーカーの意図を読み損なってしまいます。

なにしろ今回の発表会では、「FF」と名の付くものだけで10本を超えるタイトルが出展
されました。専用ブースで体験プレイできるものだけでも、ニンテンドーDSで3タイトル、
PSPで1タイトル、PS2で2タイトル(うちXbox360やPCでも遊べるマルチタイトルが1つ)と、
人気ハードをすべて押さえるという盤石な布陣です。

これほど多くのソフトを出展しているにもかかわらず、それぞれのブースでは、2〜3時間待ちの
行列が作られました。人気シリーズを多角的に展開する戦略は、大成功をおさめています。

さらにはケータイ用のオリジナルタイトルや、純粋な映像作品もある。また、PS3用
タイトルとして期待されている「ファイナルファンタジー XIII」をはじめとして、
映像出展されたタイトルも多数ありました。多角的に展開する「FF」シリーズの各タイトルの
割合を見るだけで、現在のデジタルエンタテインメントビジネスの潮流が見えてくるような
発表会でした。

NBonline
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070516/124974/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070516/124974/?P=2
続き >>2-3
2あやめφ ★:2007/05/18(金) 18:08:39 ID:???
こういった多角的な戦略を実行できる最大の理由は、いささか逆説めきますが、ここ数年の
スクウェア・エニックスが志向してきた「ゲーム専門メーカー」という枠からの脱皮、
これが成功しているためでしょう。

スクウェア・エニックスは、いまや「総合コンテンツ企業」と呼ぶべき企業です。日本有数の
ゲームソフト製作集団であるだけでなく、人気コミック誌を持つ出版社であり、そこから
派生した人気アニメを持ち、さらには音楽ビジネスなども手がけています。かつて「メディア
ミックス」と呼ばれた、さまざまな業種にコンテンツビジネスを広げていく戦略を、
すべて自社内でまかなう体制が整えられていると考えていい。

このため、人気ソフト1本で勝負する! という従来型のリスキーな戦略を採る必要が
ありません。持っているコンテンツを、ユーザーが求めるメディア(それはゲーム機だけ
ではありません)に、タイミングよく次々に出していくことで、自社コンテンツを最大限に
活用していく戦略が採れるのです。

どのハードが隆盛になろうが、大きな影響がないのはそのためです。なにしろ、ニンテンドー
DSが爆発的な人気になり、据え置きゲーム機が苦しむという大激動の時代を経ても、
「FF」のブランド力は落ちていないのです。スクウェア・エニックスは、今回の展示会で、
総合コンテンツ企業としての強さを、まざまざと見せつけました。
3あやめφ ★:2007/05/18(金) 18:08:46 ID:???
とはいえ「FF」ブランドにも欠点はあります。最大の欠点は、ティーン向けのコンテンツに
偏りがちなことです。同シリーズだけでは、子供向けコンテンツ、ファミリー向けコンテンツが
不足気味になるのですね。

しかし、そこには、もう1つの看板コンテンツ「ドラゴンクエスト」シリーズが待ち構えています。
今回の展示会では、WiiとDS、さらにはアーケードゲームでタイトルを出展し、ファミリー層の
心をガッチリと押さえました。飛車角がともに睨みを利かせ、隙のない布陣、といった様相です。

さらには「DS:Style」と名づけられたシリーズも用意。こちらで「地球の歩き方」のゲーム化
ソフトなど、昨今流行のツール系ソフトも展示しました。最近になってゲームに触れるように
なった世代も、ちゃんとお客さんにしています。いやはや、激動のデジタルエンタテインメント
ビジネスの世界で、トップランナーとして生き残ってきた実績はダテではありません。