アニメ映像パッケージの大手バンダイビジュアルが、平成19年2月期の通期決算を発表した。
通期連結の売上高は321億8900万円、営業利益は48億4500万円、経常利益は49億3300万円、
当期純利益は27億7500万円と好調な結果となった。
発表された数字は売上高、経常利益、当期純利益の全てで、当初業績予想を上回った。
第3四半期までの業績達成の進捗率は大きく遅れていたが、当初の予定通り第4四半期で
取り返すだけでなく当初予想を上回る数字となった。
今年から単独決算でなく子会社ランティスを含む連結決算に移行したため前年同期比はない。
しかし、個別決算ベースでも全ての指標で前年を上回り、過去最高利益を7期連続で更新した。
業績好調の理由は、同社事業のおよそ92%(約299億円)占めるパッケージソフト事業が
好調だったためである。同社の看板商品である『機動戦士ガンダム』シリーズのファースト
ガンダムDVD-BOXが販売を牽引したほか、『機動戦士ガンダムSEED C.E.73-STARGAZER-』
などシリーズ全体が好調に推移した。
また、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』や『ウルトラマンメビウス&
ウルトラ兄弟』、『コードギアス反逆のルルーシュ』、『FREEDOM』などのヒット作が
相次いだ。レンタル用DVDの市場拡大も業績に貢献した。さらに音楽パッケージでは
『涼宮ハルヒの憂鬱』関連CDがヒットした。(中略)
しかし、好調に見えるバンダイビジュアルの経営も事業リスクがないわけでない。特に
ガンダムシリーズに対する依存度の大きさが目立つ。今期244億円の売上げとなった映像
パッケージの実に42.2%(約103億円)がガンダムシリーズからのものとなっている。
それに次ぐ『クレヨンしんちゃん』の売上げシェアは、ガンダムシリーズの1/10の4.1%に
過ぎない。ガンダムシリーズが人気を維持し、かつ継続的な人気を継続できなければ
現在の事業構造は維持できない。
また、新規事業として積極的に手がける海外展開やインターネットでの販売ビジネスの
成否、次世代ディスクの切り替わりのタイミングも事業にとって大きな挑戦となるであろう。
animeanime.jp
http://animeanime.jp/biz/archives/2007/04/v_746.html バンダイビジュアル
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