二十四日に開幕した広島国際アニメーションフェスティバルの新企画で、
学生の作品を売買する「フィルムマーケット」が同日、同じ会場の広島市
中区のアステールプラザで始まった。経済団体など十七団体でつくる
「ポール・イマージュ広島」が、世界レベルのアニメ祭を作品発表の場に
見立て、人材発掘や育成につなげようと初めて企画。初日は国内外の
約千人でにぎわった。
広島県や東京都などの大学・専門学校二十六校が一階市民ギャラリーに
ブースを出展。学生が自作のイラストやアニメを世界中から集まったアニメ
関係者に売り込んだ。
広島市立大芸術学部は二〇〇四、〇五年度の卒業制作を収めたDVDを
販売、国内外の制作者らが次々購入していた。作品が収録された同大大学院
芸術学研究科一年の杉殿育恵さん(22)は「世界の一流の人が集まる場で
売れてうれしい。志望するアニメーターに向け貴重な一歩を踏み出せた」と
笑顔を見せていた。
海外の関係者からも評価する声が聞かれた。米国でアニメを教える大学
助教授シュバルツ・ガリーさん(49)は「学校と社会をつなぐユニークな取り組み」。
韓国ソウルの大学四年金世漢さん(27)は「日本人学生のアニメの水準が、
商業ベースに乗るほど高いことに驚いた」と話していた。
マーケットは、フェスティバル最終日の二十八日まで開催。入場無料。
午前九時―午後六時半まで。アニメに興味を持つ高校生の進学相談も受け付ける。
中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200608250069.html 画像(フィルムマーケットのブースで、来場者にアニメ作品を売り込む学生=左端)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn20060825006901.jpg