大阪府警のサイバー犯罪の情報提供窓口より、次の内容で情報提供しました。(後半)
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□24倍の速度が出ることがあり得ない理由
上記サービスはdocomoから回線を借りてプロバイダを運営する方式を取っています。
この業態はMVNOと呼ばれます。
この業態は回線の仕入れが販売価格に占める割合が大きく、他社よりケタ違いに高速なサービスは原理的に不可能です。
これが24倍の速度が原理的にあり得ない理由です。
□MVNOの経費構造(一例)
「回線の仕入れが販売価格に占める割合が大きい」の例として、b-mobile Fairというサービスを見てみます。
(上記サイトで比較対象に例示されているものとは、会社は同じですが違うサービスです。)
http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/disclosure/interconnection/update/index.html このページで分かるようにdocomoからMVNOへの卸値は10Mbpsあたり750万円/月です。
http://www.bmobile.ne.jp/fair/detail.html b-mobile Fairの販売価格は1GBあたり9,800円です。
1GBの仕入れ値 = 7,500,000円/月 ÷ (3,600 × 24 × 30秒/月) ÷ (10,000,000ビット/秒) × (8,000,000,000ビット/GB) = 2,315円/GB
回線の仕入れが販売価格に占める割合 = 2,315 ÷ 9,800 = 24%
となります。
これは仕入れた帯域を全て売り切った場合の計算ですが、そんなことはあり得ませんので、実際には仕入れの比率はもっと高くなります。
全て売り切れない理由は、docomoからの仕入れが24時間一定のMbpsに基づくが、販売は昼夜の変動などがあるためです。
MVNOは回線の仕入れが販売価格に占める割合が大きい業態であり、同料金の他社より24倍高速ということが原理的にあり得ないことが分かります。