1年に6回行われる大相撲本場所。巡業と並んで相撲協会の事業収入の2本柱といわれている。
相撲協会の決算報告では、最新の13年度で本場所の事業収入は約80億円。1場所5億円ともいわれるNHKの放映権料もこれに含まれる。
しかし、相撲といえば、現金社会。給料や正規の収入以外にも、表には出ないカネが飛び交う世界だ。
となれば、本場所もチケット代などとは別に儲けているやからがいるのではないか。
ある元親方は「そういった話だと、地方場所部長だろうね」とこう言う。
「いわゆる、地方場所の営業、アピールをする親方のこと。理事職にある親方しか就任できず、
3月の大阪場所、7月の名古屋場所、11月の九州場所と3人の地方場所部長がいる。
広報部長や審判部長など他の部長職に比べて、ほとんど能力は必要とされない。
相撲茶屋のない九州場所はチケットの営業が大変だけど、大阪、名古屋はそれも茶屋任せにできるからね」
協会内でも、「誰がやっても一緒」と言われているのが地方場所担当。なぜ、彼らが儲かるのか。
「地方場所は年に1度しか開催されないだけに、お座敷がかかる頻度が東京とはケタ違い。
特に大阪の相撲熱は東京と比べても遜色がないから、先乗りする担当親方は大歓迎される。
夜なんて、連日のようにタニマチや地元財界の有力者にチヤホヤされるからね。
小遣いだって、山ほどもらえるよ。それでいて、チケットはお茶屋が勝手に売ってくれる。
去年まで大阪場所担当だった貴乃花親方(元横綱)は吉本新喜劇に出るなどアピールしていたが、そこまでしなくても成功は約束されている。
中には可愛がっている親方をあえて大阪場所担当にする理事長もいた」
北の湖理事長(元横綱)が貴乃花親方を大阪場所担当にしたのは12年。
当時も「目をかけている貴乃花に甘い汁を吸わせてやろう、というもくろみがあるのではないか」と言われていた。
地方場所の中でも客が入らないのが九州場所。誰がやってもチケットが売れないといわれているが……。
「それを劇的に変えられる可能性があるのが浅香山親方、元大関の魁皇です。
出身地の福岡では絶大な人気を誇る。彼が営業マンになればチケットの売れ行きも期待できる。
ただし、まだ42歳と若いので、理事職のひとつでもある地方場所担当にはなれない。
もっとも、将来そうなれば浅香山親方の家には蔵が建つともいわれています」(協会関係者)
年に6回、地方にとっては1年に1回しか来ない本場所を心待ちにしているのは、地元のファンだけではない。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/157844 2015年3月8日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/image/sports/157844/18551 満員御礼がよく出る大阪場所