J1までは「いつもの」カンファレンスだった
2月19日、2015Jリーグプレスカンファレンスがグランドプリンスホテル新高輪で開催された。
Jリーグ全52チームが集まり、新たなシーズンの幕開けを知らせる開幕前のビッグイベント。
今年も全国から多くのメディアが集まり、華やかなイベントとなった。
毎年楽しみなのは、やはり自分が取材しているチームの選手と監督が煌びやかなステージに立つ
姿を見ること。日ごろスポットを浴びることの少ない水戸の選手が
その場に現れる瞬間は毎年誇らしい気持ちにさせられる。
今シーズンの参加者は人生ではじめてキャプテンを努める船谷圭祐。
壇上でどんな表情を見せるか楽しみであった。
例年通り、Jリーグチェアマンの挨拶からはじまり、J1の開幕カードの紹介とともにJ1の選手たちが
舞台に現れると、会場の緊張感は高まった。
昨年との違いは壇上の選手たちにMCが質問をするのではなく、
試合を中継するテレビ局からの代表質問であったこと。やや硬めのやり取りが続いたものの、
そこまでは「いつもの」プレスカンファレンスであった。
Jリーグの指針を鮮明に打ち出した
さあ、いよいよJ2の登場だ。期待が高まった。が、そこで思わぬアナウンスが。
「これで第1部は終了です」
なんと、J2・J3のチームの紹介がなくなっていたのだ。行われたのは記者がはけてからのフォトセッションのみ。
華やかなスポットを浴びて、1人1人選手が壇上に現れる、
カンファレンス最大の見所がJ2とJ3のチームには与えられなかったのである。
J2に昇格してきたツエーゲン金沢の紹介も、新たにJリーグの仲間入りを果たした
レノファ山口FCの紹介もなし。ライターになって以来、毎年足を運んできたが、これははじめての事態。
日ごろJ2チームを取材している身として残念な思いにさせられた。
今年度からリニューアルされたJリーグ公式サイトでは、
J1チームのリンクはページ上部に貼られているが、J2・J3チームは下部に置かれている。
下部リーグはあくまで下部リーグ――いわば、このカンファレンスで
Jリーグの指針を鮮明に打ち出したと言えるだろう。「J1推し」なのは間違いない。
ただ、この現状を嘆いていても仕方がない。今回のカンファレンスの段取りは、
カテゴリー関係なく、クラブの魅力を身につけていかないといけないというJリーグ側からの
痛烈なメッセージとして受け止めるべきだろう。
リーグに頼ることない、自力でスポットを浴びられるクラブへ、這い上がっていくしかない。
その覚悟を新たにさせられた2015年のプレスカンファレンスであった。
(佐藤拓也)
http://j-ron.jp/n/20150221_tt.php