サッカーにおける情報収集は、いまや勝敗を分ける大きな要素になっている。
Jリーグは今季、全世界のリーグ戦や選手の最新映像をインターネットで提供するイタリアの民間会社と契約。世界の動静を細かくチェックできる態勢を整えた。
すべてはアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)制覇のためだ。村井満チェアマンは、今季の目標にACL制覇を掲げた。
日本勢の優勝は2008年のG大阪が最後。今季出場するG大阪、浦和、鹿島、柏を側面から支援する思惑がある。
相手の長所、短所を細かく分析する「スカウティング」作業に、対戦相手の最新映像は欠かせない。
「チームのニーズにきめ細かく応えられるようにしたい」とJリーグの担当者。昨季まで5カ国だけだった契約から、大幅に範囲を広げた。
新たに契約したシステムは世界75カ国から約22万人の選手、約3万のチームをチェックできる。
欧州、南米の強豪チーム、各国協会、さらに大物代理人らがこぞって契約していることからも、豊富で充実した情報が引き出せることは間違いない。
近年は潤沢な資金を生かすアジア各国のチームは選手、監督の出入りが激しく、対戦相手の情報収集を素早く行う必要がある。
担当者は「過去の映像をチェックすれば、欧州からアジアに来た選手の特徴も把握できる」と効果を期待する。
リーグ戦の日程にもメスを入れた。ACLの日程にヤマザキ・ナビスコカップの開催日を重ねることで
「なるべく平等な(試合間隔の)状態でリーグ戦に臨めるようにした」と村井チェアマン。ACL出場チームの不公平感を解消した。
昨季まではACL出場チームが中2日、国内に残ったチームが中6日でリーグ戦を迎えるようなケースもあった。
鹿島の鈴木満常務取締役強化部長は「Jリーグやるじゃん、という調整をしてもらった。優勝できるように頑張る」と話した。
さらにJリーグ、日本サッカー協会は遠征費などの支援に従来の約1・5倍の資金を用意。
Jリーグは1次リーグ、16強がぶつかる決勝トーナメント1回戦まで遠征費の80パーセントを補助、準々決勝以降は半額を拠出してチームの動きを支える。
両者は連携し、敵地でのアウェー試合に支援スタッフ1人以上を派遣。ビザの発給手続きなどが協会国際部が協力する。
村井チェアマンは「(出場する)4チームには全力で結果を出してほしい」と大号令をかけた。(榊輝朗)
覇権奪還を目指すACLは、柏が戦う17日のプレーオフで日本勢の戦いが幕を開ける。
広大で多様な文化が混在するアジアの戦いは難しい。勝利を目指す関係者の奮闘をリポートする。
2月14日(土)18時7分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150214-00000537-san-socc