スポーツ報知 2月5日 7時7分配信
今季から打撃コーチ兼任となった巨人・高橋由伸外野手(39)が4日、“コーチデビュー”した。サンマリンスタジアム宮崎でのフリー打撃で、主に打撃コーチの仕事である「タイムキーパー」を務めた。
宮崎キャンプ訪問中の松井秀喜氏(40)からは「ストップウォッチを持つ姿がサマになっている」といじられる一幕も。
二足のわらじをはつらつとこなす姿を見た原監督も「コーチ兼任が(高橋由に)追い風を与えている」と笑顔だった。
キャンプ3日目まで選手メニューに専念していた高橋由が、ついにコーチの初仕事だ。サンマリンスタジアムでのフリー打撃を終えて一度ベンチ裏へ下がると、ウィンドブレーカーを着込み打撃ケージ裏に立った。
ストップウォッチを手に、選手の打撃練習の時間を管理。ふだんは村田真一総合コーチ(51)が行っているタイムキーパーを務めた。
高橋由「(選手、コーチとして)ここはこうとか、決まったものじゃないから。できる範囲で、とは思っています。中途半端にならないように、自分なりに考えてやろうと思います」
練習時間をチェックしつつ、由伸コーチは選手に熱い視線を送った。中日から加入した堂上には、指導のための基礎情報を収集するためもあって質問攻めにした。
高橋由「あまり話していなかったし、いろいろと聞きたいことがあったから。何をやっていたかとか、どんなことを考えているとか」
高橋由がケージ裏に陣取ると、タイミングよく、各所を回って練習視察していた松井氏が戻ってきた。カメラのシャッター音が鳴りやまない。常勝軍団を支えてきたスターの“共演”が、この日のハイライトだった。
その後も大田、小林らをチェック。一緒に沖縄で自主トレした辻にも声をかけた。気温1ケタの寒空の下、約1時間、コーチ職をこなした。
練習後、松井氏は取材に応じた。「(高橋由が)ケージの後ろでストップウォッチを持つ姿は、サマになっていましたよ」とニヤリ。
これを伝え聞いた高橋由は「ストップウォッチを持つくらいで、サマになる、ならないの差が分からないよ」と苦笑いだった。
松井氏が臨時コーチとして参加した昨春キャンプ。高橋由の居残り特打の打撃投手を、松井氏が務めたシーンがあった。当時の高橋由は「(空振りもあった)ノックよりも数段、いいボールがきていた。
打撃投手では使えそうだね」といたずらっぽく笑っていたが、この日は松井氏が“いじり返した”形だ。
原監督は、由伸コーチが宿舎での夜間練習や映像チェック、スイングチェックに参加し、見えないところで既に選手指導に当たっていることを明かした。
原監督「(高橋由は)なんか、いつになく元気だよね。いつになくと言ったら失礼かもしれないが…。コーチ兼任という役割が、彼の中で選手・高橋由伸に追い風を与えているように感じるよ」
ノック難しいよ 2日間の巨人キャンプ視察を終えた松井氏からも、最後はエールが届いた。
松井氏「本人はまだ(現役で)頑張りたいんだと思いますから、応援したい。ひと言言えるのは『ノックは難しいよ』と。でも、彼は打撃コーチ。何でもできると思う」(尾形 圭亮)
◆ここまでの高橋由 所用のためキャンプ前の宮崎合同自主トレには参加せず、他の首脳陣同様31日に宮崎入り。1〜3日は、コーチとして表だった動きはなく、選手としてフルメニューを消化した。
ウォーミングアップに始まり、キャッチボール、ベースランニング、ノックとこなし、フリー打撃は3日間とも金城とペアを組んで全体の1組目で打った。
また、この日のシートノックでは左翼に入り、軽快な動きを披露した。
◆松井氏のノッカーデビュー 14年2月3日、松井臨時コーチは長さ90センチのオリジナルノックバットを手に登場。現役時代とは逆の「右打ち」で挑むも…。
220スイング中、空振り3回、野手まで届かない打ち損ね45本などミスショットを連発。この珍ノックに長野やアンダーソンら8人の外野陣は、そろってコケる新喜劇ばりのリアクション芸でツッコミを入れた。
由伸は「もうちょっと練習しないと」とダメ出し。報告を受けた原監督も「上手だったらしいな」と爆笑した。
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