2015.01.29
アギーレ監督は2月にバカンスを取るというから驚いた(共同)【拡大】
連覇を狙ったサッカーアジア杯で、日本代表は19年ぶりのベスト8で敗退という結果に終わった。
心配していたことが現実になってしまった。
指揮を執ったアギーレ監督は、2月から1カ月間の休暇を取るというから驚いた。契約でそうなって
いるとしても、国際試合で惨敗しながらバカンスに入る、その神経を疑ってしまう。
2月はJリーグ各クラブが春季キャンプ中だ。自分の目で新戦力を発掘し、各クラブの監督とのコミュ
ニケーションをはかるいい機会だ。代表指揮官が動けばメディアの露出も増える。なのになぜ、休みが
取れるのだろうか。
今回のアジア杯での日本代表を見る限り、選手個々の技術は参加国中でダントツに高かった。それでも
勝てなかったのはなぜか。これまで4年以上、ほぼ同じメンバーでチームを編成していた弊害だ。海外組の
多くが所属クラブでベンチ入りできない状況なのに、代表ではレギュラーで起用される。これではチーム
としての進化は望めない。
アギーレ監督は月収2000万円近い報酬を受け取っているはずだ。アジア杯で敗退し、八百長疑惑
まで背負いながら、1カ月もバカンスを取る。これを聞いた時にはため息しか出なかった。3月の親善
試合で若手の招集を考えているようだが、なおのこと2月のキャンプで若い選手を視察、発掘するべきだ。
これこそ惨敗を喫した代表指揮官がやるべき仕事ではないのか。
アジア杯の決勝に進出した開催国・豪州と韓国は、この大会に勝つことを前提にチームを作ってきた。
準々決勝で日本を破ったUAEは、10代から同じメンバーでロンドン五輪に臨み、A代表を編成している。
中国も13億人を超える人口から有望な中学生を発掘してW杯を目指すという。では、日本は?
グレーな指揮官とアジアレベルでも勝てないメンバーで対抗するつもりなのか。サッカーはそんなに甘くはない。
■清水秀彦(しみず・ひでひこ) 1954年11月4日、東京都生まれ、60歳。浦和市高、法大で
全国制覇。77年に日産自動車サッカー部(現横浜M)に入団。88年に現役引退し、91年に同部監督に
就任。93年のJリーグ開幕戦で勝利監督になった。96年福岡、98年は京都の監督を歴任。2001年に
仙台をJ1に昇格させ、02年にはJリーグ初の監督通算100勝を達成。04年にNPO法人「H・S
SPORTS CLUB」を設立。
http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/news/20150129/soc1501291550001-n1.htm