サッカーのアジア杯で2連覇を目指す日本代表は12日、1次リーグD組初戦のパレスチナ戦に臨む。
この日は試合会場で記者会見と公式練習が行われ、スペインリーグの八百長に関与した疑いで同国検察庁に告発されたハビエル・アギーレ監督(56)が、
英国放送協会(BBC)などの海外メディアから「(監督を)辞めるつもりはなかったのか」と厳しい質問を受けた。
大事な初戦の前日に、騒動は世界的な広がりを見せた。
英国メディアの厳しい追及に、アギーレ監督の目がつり上がる。
1次リーグ初戦のパレスチナ戦に向けた公式会見。試合に関する質問が一通り終わると、
ロンドンに拠点を置くSNTVのキャロル記者が「八百長問題がチームに与える影響は?」と集中砲火の口火を切った。
「私が言えることは、この件に関しては3週間前に会見を開いているということ。この場では答えられない」
指揮官は質問を頑として受けつけなかった。代わりに同席した主将のMF長谷部が「影響はないと断言できる。
このチームはお互いを信頼する力を持っている」と冷静に対応。
しかし、30分の会見の最後、中立公正な報道で世界的に定評のある英国の公共放送、BBCのジャズミ記者が強烈なストレートパンチを見舞った。
「辞めるつもりはなかったのか?」
アギーレ監督の顔から血の気が引く。先月27日に日本メディア向けに釈明会見を開き、自らの潔白を主張して以来、八百長問題に関する追及は受けていない。
アジア杯に集中していた神経が、怒りにぶち切れた。
「私は4度のW杯、4度の北中米カリブ海選手権、3度の南米選手権に出場した。
いずれもサッカーのことしか考えなかった。初めてのアジア杯もそうしたい」
そう言ってひな壇を立つと、公式練習が行われるピッチへ。
円陣の中央で話す姿は堂々としており、冒頭15分で非公開となった後は普段通りのハッスルぶりで練習を活気づけ、動揺した様子はなかったという。
告発状に記されている銀行口座に振り込まれた計8万5000ユーロ(約1190万円)について、アギーレ監督は黙秘している。
現在、バレンシア裁判所が告発状の受理を審査中。疑惑が晴れていない状況で、
9日にはメルボルンの地元紙がアジアサッカーの八百長に関する記事で同監督の写真を象徴的に掲載。そしてこの日、騒動は“世界”に飛び火した。
会見後も英国記者2人は納得していなかった。日本の報道陣に対し、BBCのジャズミ記者は「あの答えは説明になっていない。もっと詳細に答えるべき」と首を振り、
SNTVのキャロル記者は「欧州サッカーに興味がある人にとって無視できない問題。彼が裁判所に出廷すれば関心はさらに高まる」と明言した。
大会中に告発受理など進展があれば、追及は厳しさを増す。連覇に向けた障害は、ピッチの相手だけではない。
http://www.sanspo.com/soccer/news/20150112/jpn15011205040007-n1.html 2015.1.12 05:04
http://www.sanspo.com/soccer/photos/20150112/jpn15011205040007-p1.html 記者会見でムッとした表情を浮かべるアギーレ監督。八百長疑惑について、海外メディアから厳しい質問を浴びせられた。