日本代表合宿(29日、千葉県内)スペインリーグでの八百長関与の疑いで同国検察庁に告発されているハビエル・アギーレ監督(56)の下で、
来年1月9日開幕のアジア杯(豪州)に向けた国内合宿がスタートした。
練習前のミーティングでは日本協会の大仁邦弥会長(70)と指揮官自身が選手に事情説明を行う異例の幕開け。
豪州で合流するDF吉田麻也(26)=サウサンプトン=を除くメンバー22人は影響を否定し、ピッチに意識を集中させた。
練習場には現状を暗示するような濃霧が立ち込めていた。
海外メディアを含め約140人もの報道陣が集まる中、アギーレ監督は胸の前で十字を切り、祈るようにピッチに足を踏み入れた。
「サッカー人として、サッカーを愛している。サッカーへの裏切りはしない」
練習の3時間前。東京都内で行われたミーティングで指揮官が選手に訴えた。
アギーレ監督とともに八百長問題について説明した大仁会長によると、指揮官は27日の会見同様に「自分は全く関係ない。
関与していない」とも主張。「ここから先はアジア杯に集中してほしい」と促したという。
潔白の根拠は示さないまま、たった2分の説明で気持ちの切り替えを求めた。
練習後、同監督は「会見で言ったことを選手に直接、伝えられた。ミーティングが終わったら、
サッカーの話だけをしようということです」と一方的な幕引きを宣言。「隠すことは何もない」と語気を強めた。
ただ、日本協会の動揺は異例の箝口(かんこう)令に表れた。
関係者によると、協会側から選手に対し、この日の会長、監督の説明内容を聞かれた際に「日本協会の方に聞いてください」などと答えるように指示されたという。
ただ、ブラジルW杯組を中心とした選手は動じていなかった。MF遠藤は「急に聞いたならビビるけれど、長い間報道されているので。
一人一人の気持ちの持ち方次第。選手はサッカーに集中すればいい」。
主将のMF長谷部も「心に入ってくる言葉が聞けた。信頼しあう力が試されていると思う。
ファンにも、自分たちがまとまっているところを見せないといけない」と話し、選手ミーティングで団結を促す考えを改めて示した。
裁判所が告発を受理すれば、本格的な捜査が始まる。いつ不測の事態が起きるか分からぬまま“見切り発車”で合宿スタート。
選手の懸命な姿勢だけが、チームを前進させる。
http://www.sanspo.com/soccer/news/20141230/jpn14123005050004-n1.html 2014.12.30 05:05