サッカーのJ1は最終節でG大阪が優勝を決め、2014年のシーズンを終えた。
最後の1シーズン制で年間王者はシンプルに決まったが、前後期制とポストシーズンが導入される15年以降はそうもいかない。
今季の成績をもとに来季のJ1優勝争いをシミュレーションしてみると、こんな結果が…。
来季からJ1に導入されるポストシーズンには、年間王者決定戦のチャンピオンシップ(CS)とスーパーステージ(SS)がある。
年間勝ち点1位はCS出場権を獲得する。SSはもう1つのCS出場権をかけたトーナメントで、
原則として前後期の各優勝クラブが年間勝ち点2位、3位とそれぞれ対戦。勝者同士の対戦を制したクラブがCSに出場する。
CS、SSの出場クラブが重複した場合は下位の繰り上げはせず、SSに出場するのは最少2、最多4クラブと変動する。
また、最終的な年間順位はCSの勝者を1位、敗者を2位、以下は年間勝ち点で決め、上位3クラブがアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権を獲得。
年間勝ち点が少ない3クラブがJ2に降格し、降格クラブはSS出場資格も失うことになっている。
今季の成績に当てはめると、まずは年間勝ち点1位のG大阪がCSの出場権を得る。前期優勝は浦和、後期優勝はG大阪、年間勝ち点2位は浦和、
年間勝ち点3位は鹿島となり、年間勝ち点1位と後期優勝はG大阪、前期優勝と年間勝ち点2位は浦和で重複するため、SSに出場するのは浦和と鹿島。
両クラブ間で行われる試合の勝者が、CSでG大阪と雌雄を決することになる。
また、CSとSSに出場するクラブがすべて年間勝ち点で上位3位以内を占めるため、ACL出場権はレギュラーシーズンが終了した時点で
G大阪、浦和、鹿島が獲得する。なお、J2に降格するのは年間勝ち点で16位以下に沈んだ大宮、C大阪、徳島で従来と変わらない。
Jリーグ幹部が「1シーズン制が理想」と苦しげに繰り返してきたことからも分かるように、前後期制とポストシーズンは突っ込みどころに事欠かない。
最も理解が得られにくいと思われる年間王者の決め方に絞って考えてみる。1シーズン制の14年であれば誰もが認める年間王者のG大阪も、
15年以降はSSを勝ち抜いたクラブと争う超短期決戦のCSに敗れれば年間2位に甘んじる。致命的といっていい理不尽さだ。
また、前期優勝でSS出場権を獲得してしまえば、後期はJ2に降格しない程度に年間勝ち点を拾うことで年間王者の可能性は残る。
逆に前期を最下位で終えたとしても、後期に優勝してJ2に降格しない程度に年間勝ち点を稼いでおけばいい。
極端な例の仮定ではあるが、現実となったら年間王者にふさわしくないことこの上ない。
Jリーグは新制度導入によって年間9億円余りの増収を見込む。
ただ、新制度導入が決まった際に日本プロサッカー選手会の会長を務める広島の佐藤は「選手は決められた制度で全力を尽くすしかない」と話すのが精いっぱいで、
主役の選手から全面的な支持を受けているとはとてもいいがたい。
プレーする最大の目標である年間王者の正当性が保たれない恐れが大きいのだから当然だ。サポーターの間でも賛否両論は飛び交っており、
Jリーグが難しい立場に置かれることだけは間違いなさそうだ。
12月29日(月)18時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141229-00000526-san-socc