TBSテレビ「ジョブチューン」取材班 2014年12月26日
http://tk.ismcdn.jp/mwimgs/b/d/570/img_bd4fbea1b4daca337737ce0e5210a0e0304402.jpg ※愛媛・佐田岬半島で獲れるシラス
海に囲まれた島国ニッポン。豊富な水産資源に恵まれながらも、日本の漁業は衰退の一途をた
どっている。沿岸漁業関係者の平均年収は250万円前後といわれ、新たに漁業へ従事する若者
は少なく、漁師は高齢化が進む。漁業人口はピーク時に100万人といわれたが、平成21年(2009
年)には約22万人と4分の1以下にまで減少した(農林水産省調べ)。
そんな逆境の中でもビジネスモデルの視点を変えれば、しっかり稼ぐことは可能だ。12月6日(土)
に放送されたTBSテレビ「ジョブチューン〜日本の超一流漁師大集結SP〜」に出演した、愛媛県
の漁師、福島大蔵さんはその一人である。
福島さんは、イワシの幼魚であるシラスの漁獲を主体とする朝日共販を経営。年間20億円以上
を売り上げた実績を持つ。福島さんが漁師を始めた大学卒業後の当初と比べると、収益は約
100倍近くまで育っている。
四国・愛媛の佐田岬半島は、北上するシラスの群れをせき止める地形になっており、日本有数の
シラス漁場だ。凝縮されたうまみと見事な白さ。日本一きれいと名高いシラスが1年中獲れる。朝
日共販は、1日に約2トンを水揚げする。
たくさん獲れるだけでは稼げない
ただ、シラスは大量に獲れる分、安値で取引される魚でもある。福島さんはこのシラスを儲かる
「夢の魚」に変えている。獲って競りに出すだけでは稼ぐのではなく、加工、販売にも工夫を凝ら
すのだ。「6次産業化」とも呼ばれる視点である。
「魚は、鮮度が命」とよく耳にするが、シラスほど鮮度が重要な魚はない。シラスが成長したイワ
シは漢字で「鰯」と書くように、とても弱い魚だ。幼魚のシラスはさらに生命力が弱く、水揚げの時
に網にあたるだけで死んでしまう。つまり、獲ったその瞬間から鮮度も味も落ち続ける。
そんな繊細なシラスで一流の製品を生み出すには、水揚げから加工までの時間が勝負となる。
朝日共販は、漁港近くの加工場で釜揚げシラスを作る。水揚げから加工まで、わずか30分。この
スピードこそが専属の漁師と漁団を持つ網元の朝日共販の強みだ。鮮度を重視するため、漁に
出て水揚げし工場で加工する行程を1日に6 〜8回繰り返す。
次ページ もう一つのキモは?
(記事の続きや関連情報はリンク先で)
引用元:東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/56809