「そのままでいいですよ」
日本代表FW柿谷曜一朗(バーゼル)が10日のジャマイカ戦を控えるチームのために“男気”を見せたのかもしれない。
新潟合宿3日目の約1時間半の練習後、3トップの左で先発の可能性もある柿谷はチームの和を保つために自ら泥を被るような素振りを見せた。
「自分じゃないって言ったら、じゃあ誰やねんってなるし……。そのままでいいですよ」
才気あふれるアタッカーは練習後、静かにこう語った。
新潟市内で合宿中の日本代表に持ち上がったのは、ハビエル・アギーレ監督が2日目の朝食時間に遅れた2選手をいさめたという話題。
一部報道では朝食への遅刻者を柿谷ら2選手と断定していた。だがこれを受け、翌8日に取材を受けた柿谷は否定も肯定もせず、意味深なコメントを残した。
実際に朝食に遅刻していたのなら、このような発言に至るのだろうか。
突如、ネガティブな話題にさらされた柿谷だが、あくまで前向きだった。
「まだ時差ボケも残っているけど、そういうのも面白い経験。試合に出られるなら、点を取りたい。アジア杯出場は目標? そうですね。
監督はアジアカップで優勝するためにやっていこうと言っているし、そこに選ばれるためにもね。
でも、まずはジャマイカ戦に勝つことが大事だし、それが1番のアピールになると思う」
「左足のクロス」に意欲的
まだ白星のないアギーレ・ジャパンの初勝利に貢献すべく、柿谷は3トップの左という不慣れなポジションにも前向きに取り組んでいる。
「課題? 左足のクロスは練習せな……ですね。ポジショニングは大前提やし、何より結果を残さないといけない。チームで9月はほとんど試合に出ていないんで……。
ブラジル戦だけじゃなくて全部が楽しみ。でも(ブラジル戦に)出られる機会があれば、楽しむだけじゃなくて、日本が勝つところを見せたいと思う」
バーゼルでは現役時代ユベントスなどで数々の栄冠を手にしたパウロ・ソウザ監督から全幅の信頼を勝ち取るまでには至っていない。
だが、そのスピードやセンス、才気は誰もが認めるところだ。
同僚を擁護し、口を閉ざした可能性もある柿谷。周囲の雑音に耳を貸さず、チームのために勝利だけを見据える24歳には是非とも活躍を期待したいところだ。
10月8日(水)23時25分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141008-00010008-soccermzw-socc