ドイツ1部ドルトムントに復帰した日本代表FW香川真司(25)。
12年6月に移籍したイングランドの強豪マンチェスター・ユナイテッドでは出番を失っていたが、古巣では定位置のトップ下を任されて、
水を得た魚のようにのびのびとプレー。移籍後の初試合でゴールを決め、欧州中に「カガワ復活」を印象付けた。
もっとも、香川のドイツ復帰を手放しで喜べない人たちがいる。マンUとスポンサー契約を交わした日本企業だ。
香川がマンUに移籍するとヤンマー、セイコーエプソン、カゴメといった日本の有力企業が相次いでクラブとスポンサー契約を結んだ。
もちろん、日本代表の主軸FW香川の存在が決め手になったのは言うまでもない。
ところが、香川はこの夏ドルトムントに移籍してしまい、スポンサー契約を交わしている日本企業8社にとっては、広告効果が薄れて肩透かしを食らった格好だ。
「今年7月中旬に大手食品会社の日清が、マンUと3年間のスポンサー契約を交わしたばかり。
ところが1カ月半後の8月31日にドルトムント復帰が発表された。サッカー界では移籍が当たり前だし、ケガなどで1シーズンを棒に振ることもある。
《香川がマンUを出ていく》ことは想定内とはいえ、日清の場合は“費用対効果の面で判断ミスと言わざるを得ない”という声も少なくない。
日清はテニスの錦織の所属先として大いに沸いているが、香川に関しては大誤算でしょう」(広告代理店関係者)
■カゴメは「マンUとスポーツを通して社会貢献」
15年5月まで契約が残っている大手飲料・食品会社のカゴメに「このままマンUと関係を続けるのか? それともドルトムントに乗り換えるつもりか?」と聞いてみた。
「香川選手との関係性ではなく、マンUとスポーツを通して社会貢献をしたいという思いが軸となっており、
東日本大震災の被災地でマンUによるサッカースクールなどを主催しています。契約満了後については、現時点では未定となっています」(東京本社広報担当)
ちなみにマンUとの契約料は「各社バラバラだが、平均すると年1.5億円」(前出の関係者)。
一説には「契約期間中に香川が出て行った場合は、20%前後の違約金がマンUから支払われる」といわれている。
いずれにしても香川不在のマンUにスポンサーメリットはあるのか?
マンUと契約を交わしている日本企業は「すぐにでもドルトムントに鞍替えしたい!」が本音かも知れないが……。
2014年9月21日
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/153515