アジア大会サッカー男子1次リーグでU―21日本代表はイラクに3―1で完敗し、
決勝トーナメント進出は21日のネパール戦に持ち越された。
イラクには1月のアジア選手権に続き3連敗の屈辱。
にもかかわらず、試合後の手倉森誠監督(46)や選手の口からは危機感の欠如とも思える言葉が並んだ。
決勝戦での再戦に向けても根拠なき自信を示したが、イラク側からは「5年後でも勝てない」と辛辣な通告を受けた。
23歳以下(U―23)に出場資格がある2年後のリオ五輪を見据えて21歳以下で臨んでいる日本に対し、
イラクはアジア大会の規定通り、U―23+オーバーエージ(OA)選手を2人起用。
劣勢は承知の上だったが、やはり実力差は大きかった。先制を許しながらMF中島翔哉(20=FC東京)のゴールで同点に追いついたまではよかったが、
後半に2ゴールを献上。突き放された後は再三の決定機をことごとく外し、試合終了の笛を聞いた。
善戦どころか、またもや完敗。1対1の対応で劣り、相手FK時の壁の作り方でも初歩的なミスを犯して失点を重ねた。
にもかかわらず、試合後、選手たちからは強気な言葉が飛び出し、中には白い歯をのぞかせる者もいた。
中島は「イラクの強さは1月(の対戦時)も感じなかった。別に普通のチーム」とまるで勝者のようなコメント。
クリアミスで先制点を許したDF室屋成(20=明大)も「後半は自分たちのサッカーができた」と悔しさよりもプラス材料を強調した。
手倉森監督も「手ごたえは十分つかめましたね。決勝トーナメントで次に当たれば確実に勝てると感じます」とあくまで前向きだ。
そんな状況で「一人ひとりがもっと意識するところがあると、僕は感じました」と険しい表情で落ち込んでいたのは、DF植田直通(19=鹿島)のみ。
再戦時に勝てる根拠を示した選手は、誰もいなかった。
これでは何度戦ってもイラクに勝てる保証はない。OA枠で出場したイラク主将FWユーニス(31)は「我々の監督は今の試合より、未来を考えて指導している。
もっと大きなものを描いている。決勝で再戦したって日本は勝てないし、5年後でも勝てないよ」と余裕の笑み。
日本が年齢的に不利だったという見方も「我々はOA枠を使ったが、試合に出たのはたったの2人。影響はないよ」と否定した。
実際、この試合で活躍したのは若い選手ばかり。ベテランは一歩引いていた。勝利への貪欲な姿勢が明暗を分けたのだから、イラクは笑いが止まらないだろう。
日本に突きつけられた厳しい現実。それをいかに気づかせるか。手倉森監督の手腕が問われそうだ。
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