W杯ブラジル大会から早くも1か月近くたち、8月の欧州サッカー界では新シーズンに向けた移籍市場が活況だ。
次世代を担う有望選手の高額移籍が世間をにぎわす一方で、実績のある大物選手の「欧州外移籍」が急増している。
その中で目立っているのがメジャーリーグサッカー(MLS)を展開する米国。
なぜ大物選手は「サッカー未開の地」と言われた米国に行くのか? その背景を探ってみると…。
今夏の欧州移籍市場はW杯後のシーズンということもあり、大物選手の移籍が相次いでいる。
移籍金8000万ユーロ(約110億円)でスペインのレアル・マドリード入りしたコロンビア代表MFハメス・ロドリゲス(23)と、
7500万ポンド(約129億円)でバルセロナに移った“噛み付き男”ことウルグアイ代表FWルイス・スアレス(27)が双璧だ。
その一方で、高額の移籍金が動くことなく新天地に活躍の場を求める大物も多い。
2010年南アフリカW杯で優勝したスペインの元代表FWダビド・ビリャ(32)は、アトレチコ・マドリードからオーストラリアのメルボルン・シティーに移籍。
ACミランの元ブラジル代表MFカカ(32)は母国サンパウロに戻った。だが、ビリャ、カカともに半年後には、それぞれMLSのニューヨーク・シティー(NYC)、
オーランド・シティーでのプレーが内定している。この2クラブは、ともに2015年からのMLS新規参入組。2人とも暫定的に「半年間のレンタル移籍」という形を取った。
また、NYCはイングランド代表MFフランク・ランパード(36)もチェルシーから獲得。
ランパードもNYC入りする前に、6か月の期限付き移籍でマンチェスター・シティー(イングランド)に加入した。
スペイン代表から引退を表明したMFシャビ(34)も同じくNYCへの移籍が濃厚といわれたが、最終的にバルサ残留。
ミランの元ブラジル代表FWロビーニョ(30)もMLS入り希望と言われており、スター選手の流入が続いている。4
大スポーツが根強い人気を誇る米国は「サッカー未開の地」と言われてきた。
しかし、1993年にMLSが発足してからは徐々に発展を遂げ、07年7月に元イングランド代表MFデービッド・ベッカムのLAギャラクシー移籍で、サッカー熱が一気に高まった。
MLSが大物選手を獲得できるのは、一般に「ベッカム・ルール」といわれる「特別指定選手制度」のおかげだ。
MLSの選手はサラリーキャップ(年俸の上限制度)が敷かれ、クラブではなくリーグ側から給料を支払われるが、
各チーム2人(トレードで最大3人)までクラブの独自予算で選手獲得が可能。
5年で300億円というベッカムは別としても、ビリャ、カカ、ランパードは3億〜5億円の年俸を用意されているといわれる。
欧州事情に詳しい代理人は、こう解説する。「まだ発展途上のMLSで成功を収めたいという気持ちであったり、
今後、指導者や事業をするために欧州以外のサッカーも見ておくという将来的な考え方もある。治安や住みやすさ、気候、欧州や南米に移動しやすいという地理的な条件も合う。
それでいて給料も悪くない。欧州にこだわる必要はないよ」
ブラジルW杯で、米国代表は決勝トーナメント1回戦でベルギーに惜敗したが、今大会で過去最高の視聴者を記録するなど国内のサッカー人気は上昇一途。
今後の可能性を秘めるリーグに加え、好待遇と好環境が整う米国だけに、今後もサッカー界の大物の移籍は増えそうだ。
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