ソース(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/555439.html 写真=HBCの熊谷プロデューサーが「傑作の一つ」と話す4月23日の縦読み。過去最長の18文字で作ったが、試合終了まで
放送できなかったオチも付いた
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/image/5553_1.jpg 新聞のテレビ番組欄に秘密の文章が載っていることをご存じだろうか。番組内容を紹介する文章の各行の頭の1文字を縦につなげて
読むと、別の意味のある文章になる「縦読み」だ。元祖とされるのが北海道放送(HBC)で、2010年に北海道日本ハムのテレビ中継で
始めた。最近ではNHKが“参戦”し、インターネット上で「NHKもなかなかやるな」と称賛の声が上がるなど、全国に広がる縦読みの世界。
遊び心満点のテレビ欄作りには苦労も少なくないらしい。担当者に聞いた。
「ありのままのハムを見せるのよ」
7月30日、日本ハム―ロッテ戦の中継を知らせるHBCのテレビ欄。番組紹介の文章の各行の頭の1文字を縦に読むと、このように
読める。リーグ3位と踏ん張る日本ハムを応援する内容になっている。
「文章を考えるのは、実はけっこうつらいんですよ。先に縦読みの言葉を決め、それに合わせて横の文章を考えるのですが、他の仕事
をしながら考えるので、時には丸1日かかることもあるんです」
HBC報道制作センターの熊谷貴史プロデューサーはこう話す。文章を考えるのは中継を担当するスポーツ部と編成部。担当者は、
国語辞典など各辞典を前に文章作りに頭を悩ませる。うまく当てはまる文章が思い浮かんだ瞬間に、電話が鳴って忘れてしまう、
などということもあるという。
HBCが縦読みを始めて5年目。道内各テレビ局が日本ハム中継の視聴率を競い合う中、視聴者アピールの一環として編み出した。
記念すべき1作目はどのようなものだったのか気になるところだが、「ここまで続くとは思っていなかったので、覚えていないし、
文章自体も残していないんです」(熊谷さん)。
HBCの日本ハム戦中継は年間二十数試合あり、現在はすべての中継の番組欄で縦読みを実施している。担当者が日本ハム担当の
“番記者”に「次回の中継の見どころは?」と聞き、縦読みの言葉のヒントをもらうこともしばしば。せっかく完成したにもかかわらず、
横の文章で使った「切磋琢磨(せっさたくま)」が常用漢字ではないとして、新聞各社にテレビ欄を配信する会社から「使えない」と
差し戻されることもあるなど、苦労は絶えない。
熊谷さんが会心の作に挙げるのは、今年4月23日の作品だ。
「おそらく試合終了までお届けできるはず」
この日の放送時間の枠は終了が通常より1時間遅く、午後9時54分まで。試合途中で中継が打ち切られる不満を抱く視聴者に、
大いにアピールする内容だったが、「実は中継時間内に試合が終わらなかったんです。九回2死で放送が終わってしまって…」と
熊谷さん。日本ハム、ソフトバンク両チーム合わせて9本塁打を含む25安打、16得点の打撃戦となったのが響いた。
和歌で句頭に言葉を織り込む「折句(おりく)」にみられるように、「縦読み文化」は、日本人にとって古くから親しまれている文化だ。
HBCが始めたテレビ欄の縦読みは、系列局の中国放送(広島市)や中部日本放送(名古屋市)などでも採用。全国区となった。
ただ、熊谷さんは「文章を考えるのはつらい作業。そろそろ縦読みをやめたいと思っているのですが。ここまで話題になると、
やめるにやめられなくなって…」。
担当者の苦労を知れば、テレビ欄を見る楽しみが倍になる、かも?(佐藤大吾)
(
>>2以降に続く)
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