【サッカー】アメリカで着実に存在感を高めつつあるサッカー。プレーするだけでなく、サッカーを見る文化が定着

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この夏、ある数字が米国のスポーツファンを驚かせた。ワールドカップのアメリカ国内でのテレビ視聴者数だ。

米国対ポルトガル戦の視聴者数は2470万人に達し、NBAファイナル(1550万人)や、昨年10月のワールドシリーズを大きく上回ったのである。
NFLのプレーオフとスーパーボウルの視聴者数は1億1000万人と遠く及ばないが、サッカーは4大スポーツの国アメリカで着実に存在感を高めつつある。

そもそも米国は人口の17%がラテン系ということもあり、サッカー人気が出るポテンシャルは秘めていた。
プレー人口はカリフォルニア州を中心に多く、若年層に限っては2番目のスポーツだ。

近年の人気増の理由は、プレーするだけでなく、サッカーを見る文化が定着したことにある。
米国代表はもはやワールドカップの常連だ。今大会の視聴者は前大会比50%増を記録しており、各地の公園には大画面が設置され、ファンは国旗を揺らしながら観戦した。

ポルトガル戦に3万5000人ものアメリカ人が駆け付けた。
欧州ビッグクラブの試合が間近に見られるようになったことも大きい。ここ数年は毎年のように夏にビッグクラブが米国を訪れて親善試合を行なっている。

今年もミランやインテル、マンチェスター・Uにレアル・マドリーなどが7月末のギネスカップで渡米するなど、世界の一流選手を間近に見る機会が増えたのだ。
国内リーグもベッカム(2013年に引退)に始まり、アンリ、そして来年からはビジャやカカも参加するなど、見る文化はさらに定着していくだろう。

現地ブラジルでもアメリカ人の多さが目についた。マナウスで行なわれたポルトガル戦には、3万5000人のアメリカ人が駆けつけている。
同じくマナウス開催だったイングランド対イタリアに来たイギリス人は1万5000人。
本家イングランドのサポーターを大きく上回る数のアメリカ人がブラジルの町を埋めていたのである。
マナウスはアマゾン地域にあり、開催都市の中でも最も行きにくい場所だったが、彼らは空路と陸路、さらにはアマゾン川を上ってやってきた。

今では欧州の選手も30歳を過ぎるとアメリカを目指すなど、もはや米国サッカーは日本やアジア諸国を大きく上回っている。
すべてが右肩上がりの環境は、どこか羨ましくもある。

2014/07/22 10:00
http://number.bunshun.jp/articles/-/821303