試合終了と同時に、浦和のGK西川が右拳を突き上げた。
シュート14本を放った新潟の前に立ちはだかり、J1記録に並ぶ6戦連続完封を達成。
「無失点に抑えられて良かった。DF陣にも助けられた。みんなで抑えた無失点だと思う」。
出場機会がなかったW杯ブラジル大会のうっぷんを晴らした。
存在感は抜群だった。オウンゴールで先制した後の前半33分、相手FW鈴木が最終ラインを抜けてペナルティーエリア内に進入。
最大のピンチとなったが、体を投げ出して左足でブロックした。「雨でスリッピーだったのでトラップした瞬間を狙った」。
後半30分には強烈なシュートを横っ跳びで阻んだ。最前線に正確なロングフィードを送り、攻撃参加も見せた。
先発に抜てきされたW杯前最後のザンビア戦で3失点。川島から正GKの座を奪えず「人生で一番悔しい試合」と振り返る。
自分に足りないものは何か。その答えは大会前から教科書にしていたW杯最優秀GKのドイツ代表ノイアーのプレーにあった。
広い守備範囲、危機管理、足元の技術、そしてセーブ能力…。
W杯後は家族との温泉旅行で気分転換しながら、新たに映像を取り寄せて研究。試合前も映像を見てイメージを高めた。
「一プレーで流れを変えられるGKになりたい」。世界最高峰の戦いを肌で感じ、思いは強くなった。
守護神の活躍で首位を守った。「やるからには1番がいい。次の徳島戦で無失点記録を抜きたい」。
18年W杯ロシア大会に向け、西川の再挑戦が始まった。
≪18年ぶり達成≫浦和が1―0で新潟に勝利。これで第10節(4月29日)横浜戦から6試合連続無失点となった。
J1の最長無失点試合は93年清水、96年横浜Fの6試合連続で、18年ぶりの最長タイ記録を達成。
これで連続無失点時間は540分。次戦(23日・徳島戦)も無失点ならば7試合連続の新記録で、
無失点時間は歴代単独2位となる(最長は93年清水の731分)。
7月20日 05:30
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/07/20/kiji/K20140720008593030.html