【ラグビー】サッカー日本代表の不甲斐なさを嘆くより、これから戦うラグビー日本代表を応援してほしい

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1オムコシ ★@転載は禁止
All About 2014年07月02日12時30分

サッカーW杯ブラジル大会で1次リーグ敗退に終わった日本代表が6月27日、成田空港に帰国した。
空港には1000人ものサポーターがつめかけ、温かい声援で出迎えたという。

▼「夢をありがとう」サッカー日本代表を千人が温かく出迎え

あ、温かい声援だと……!? 過去にあった水をかける出迎えも論外だと思うがこれはこれでどうなんだ? 主将の長谷部誠が「サッカーは世界の文化。
強豪国は文化として根付いているし、負ければ厳しい批判に遭う。国民の皆さん、メディアの皆さんには、もっと厳しい目でみてもらいたい」と総括していたのとは対照的だ。

今回のW杯では、日本が負けても渋谷でお祭り騒ぎを起こすサポーター(たぶん、この人たちはサポーターではないと思うけど)が話題となった。
また、バカ騒ぎは起こさずとも、この手の「夢、感動をありがとう」タイプの人たちも年々増えているように思う。
自分にはとてもできないが、何に対してもフラットに感動できるというのはそれはそれでスゴイことだ。

以前は正直、「なに考えてるんだろう?」という気持ちで彼らを眺めていた。
でも、逆に考えてみることにしてみた。
こういう人たちがいるこそ、日本のスポーツシーンが盛り上がるのも事実。
であれば、まだまだ盛り上がっていない競技や大会、頑張っている日本代表の存在を知ってもらえれば、同様に盛り上げてもらえるのではないだろうか。

「4年後も頑張ってほしい」なんて悠長なことをいう必要はない。
来年、2015年にW杯に挑む日本代表がいることも知ってほしい。
そして、ぜひとも応援してほしい。その存在とは、“ブレイブ・ブロッサムズ”ことラグビー日本代表。
いまから追いかければ1年後、とんでもない感動に出会えるかもしれないのだ。

6月21日、ラグビー日本代表は秩父宮ラグビー場でテストマッチを行い、世界的な強豪国・イタリア代表に26対23で勝利。
通算6度目の対戦で初白星を挙げた。
テストマッチはこれで歴代最長の10連勝を飾るなど、日本のラグビー界はいま、かつてない盛り上がりを見せている。

▼【ラグビー】エディー日本、イタリア撃破で10連勝!

今年5月にも、当時世界8位の強豪国・サモア代表に勝利した日本代表。
今回対戦したイタリア代表はランク的には14位と下がるものの、サモア戦勝利以上の大きな意義がある。
それは、イタリアがラグビー界において伝統と格式のある「シックス・ネイションズ(6か国対抗)」の出場国であること。
そして「スクラム」というラグビー競技における根本部分で真っ向から勝負を挑み、勝つことができたことにある。

今の代表チームはスクラム担当コーチを配置し、基礎の基礎から徹底的にスクラムを強化してきた。
それがちゃんと結果になって表れたのはコーチ陣にとっても、選手にとっても何より嬉しい成果なのではないだろうか。

過去7回W杯に出場し、1勝2分21敗と負け続けてきた歴史があるラグビー日本代表。体格で劣る日本はこれまで、「日本らしさ」である俊敏性やパス回しなどに勝機を見出そうとしてきた。
だが、そもそも「スクラム」で世界と伍すことができなければ、「日本らしさ」なんて発揮する機会も生まれないわけだ。
この辺は、「自分たちらしさ」「自分たちのサッカー」という言葉に固執して結果を出せなかったサッカー日本代表にこそ耳を傾けて欲しい部分かもしれない。

今回のイタリア戦勝利によって、23日に発表されたラグビーの世界ランキングでは、日本代表が過去最高となる10位を記録。
来年開催のW杯イングランド大会、そして2019年に日本で開催されるW杯に向けて、強化は着実に進んでいる。

もちろん、日本代表選手の面々、そしてエディ・ジョーンズヘッドコーチをはじめとした現場サイドの頑張りがあればこそ。
だが、そんな彼らを支える岩渕健輔・日本代表ゼネラルマネージャーや中竹竜二コーチングコーディネイターら、
若きラグビー協会幹部たちの改革も重要な要素なのは間違いない。

その顕著な例が若年層から始まる一貫した育成プログラムだろう。
従来の日本ラグビーにおいて、若手育成は各高校や大学に任せっきりだった。
それを今後は協会が主導し、継続的かつ一貫したプログラムで指導を行おうと始めたのが「ジュニア・ジャパン」プロジェクトだ。
これまでよく指摘されてきた、中学と高校で、高校と大学で教わるラグビーが違う、という弊害をなくそうというこの試みは、Jリーグ開始以降のサッカー界が実行してきたピラミッド型の競技組織にも通じる。

http://news.livedoor.com/article/detail/9000671/
※続く