ブラジルの現実「W杯がまったく盛り上がっていない」「アメリカワールドカップを思い出した」

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(略)こちらに着いての一番の驚きは、ワールドカップがまったく盛り上がっていないことだった。
たとえば、普通、こういう大会があると空港には盛大に歓迎の飾りつけがなされていて、市内までの
道路の両側には参加各国の国旗が翻っているものである。そして、地下鉄の駅にも、街の商店にも
ワールドカップ関連のグッズが溢れているはずだ。だが、ここにはそういうものが一切ないのだ。
広告看板に多少はワールドカップ関連のものがあり、テレビでは関連番組がいくつも流れているが
、それは開催国でなくても同じこと。ドイツ在住の日本人記者に聞いたら、ドイツ国内は
ワールドカップ関連の飾りつけでいっぱいになっているそうだ。
日本でも、ワールドカップは盛り上がっているではないか。

到着早々、開幕戦が行われるアレーナ・コリンチャンス(大会期間中は「アレーナ・デ・サンパウロ」と
呼ばれる=クラブ・ワールドカップの期間中は日産スタジアムが「横浜国際総合競技場」に戻るのと同じだ)。
スタジアム周辺だけは警備の警官も配置され、見物客で賑わっていたので、確かにワールドカップらしい
雰囲気だった。だが、街に戻って来るとやはり何もないのだ。そんな街を見て、僕はサッカーの人気が
無いアメリカ合衆国で、開かれた1994年のワールドカップを思い出した。あの時も、スタジアム周辺だけが
盛り上がって、街中を歩く人たちは「何か、サッカーの大会をやっているみたいだ」程度の感覚だった
(全然知らない人も多かったはずだ)。サンパウロが、そんな雰囲気なのである。

ワールドカップ開催反対デモが行われ、そのデモが教育や医療の充実を目指すものである以上、
人々は大っぴらにワールドカップ開催を支持するような言動はとれないのだろう。サッカーに関心が
無い(なかった)アメリカ合衆国での話なら仕方がないのだが、本来なら世界で一番サッカーが好きな
国民の一つであるはずのブラジル人が、ワールドカップに対してこのような態度を取らざるをえないのは
実に悲しいこととしか言いようがない。32ヶ国参加と肥大化したワールドカップ。
1990年代までとは違って世界中のサポーターが詰めかけるようになったワールドカップ。
規模も大きくなりすぎ、テレビ放映などに関連する技術的な要求も高まるばかり。そして、交通や宿泊の
インフラの整備の後れも顕著。スタジアムを含めて、空港、道路整備などは未完成のところが大半となっている。

いや、最初に僕個人の例として挙げたTAM航空の対応などを見ていると、ハード面での遅れだけでなく、
システム的にも「ブラジルにはワールドカップを開催する能力が本当にあったのか?」という問題にもなるのだ。
まあ、その結論は一ヶ月間の大会が終了してからにしたいが、あまりに巨額のお金がかかりすぎることで、
あのサッカー好きのブラジル人から反発を買うような大会になってしまったのは確かである。
今後、FIFAは先進諸国だけで開催するようにするのか、あるいは発展途上国でも開催できるように、
規模を縮小したり、たとえばブラジルでは全く必要のない近代的なスタジアム建設を要求したりしないように
するなどの対応が求められる。(続きは引用元で)
(引用しました) http://www.huffingtonpost.jp/j-sports/worldcup_b_5491086.html