厚生労働省は、サッカーW杯日本代表が発表された12日、観戦のためブラジルへ渡航する予定者に、黄熱のワクチンを早期接種するよう呼び掛けた。
黄熱は、ブラジルなど南米やアフリカに生息する蚊「ネッタイシマカ」を媒介にして感染する風土病。発症すると発熱、寒気、頭痛などの症状が表れ、場合によっては死に至るケースもある。
世界保健機関(WHO)によると、年間約20万人が発症し、約3万人が死亡している。黄熱の研究に生涯をささげた野口英世も、自身が罹患(りかん)して死去した。
WHOは予防接種推奨地域を設定しており、今回のW杯の試合が行われる12会場のうち、日本代表の1次リーグ最終戦となる6月24日(日本時間25日)のコロンビア戦が開催される都市、
クイアバを含む5会場が含まれている。日本がリーグを1位通過し、準決勝に進出した場合の開催都市ベロオリゾンテも、地域内となっている。
厚労省はチケット数などから、コロンビア戦観戦のために国内から約3000人が渡航すると推計しているが、現時点で接種を済ませたのは約1000人にとどまっているという。
全国26か所の検疫所などで受けられるが、事前予約が必要。費用は約1万円。厚労省は「接種は10日後から有効になることを踏まえると、あと1か月程度しかない。
受けられる曜日が決まっている施設もあるので、早めの接種を」と呼び掛けている。接種施設は厚労省、日本サッカー協会のホームページで調べられる。
http://www.hochi.co.jp/topics/20140513-OHT1T50038.html