◇「伝統継承へ」
岐阜市の芸舞妓団体「鳳川伎連」で、2人の舞妓がデビューする。2010年11月以来の新人舞妓で、
後継者不足に悩む岐阜市の花柳界を盛り上げようと、2人は5月6日の初舞台に向け、様々な稽古に励んでいる。
デビューを控えるのは、静岡県富士市出身の鈴木美帆さん(20)と、羽島市出身の浅井霞海かすみさん(18)。
鈴木さんは東京の服飾専門学校に通っていた昨年9月、鳳川伎連が開いた舞妓の体験会に参加。それがきっかけで
「舞妓を目指すことで自分を成長させたい」と、卒業後の3月17日から岐阜での生活を始めた。
一方、もともと日本の伝統文化に興味があったという浅井さんは、インターネットで日本舞踊の動画を見るうち、
舞妓への関心を深めていった。高校卒業後の3月、舞妓への道を決意。4月11日から修業を開始した。
現在はともに、岐阜市内にある芸者置き屋に住み込み、踊りや三味線、お茶などの稽古をする。
掃除や洗濯も行い、舞妓として生活する中で立ち居振る舞いや礼儀作法を学ぶ。地道に修業を重ねることで、料亭や鵜飼うかい船などの
宴席で芸を披露できるようになるという。
鈴木さんは「岐阜ならではの鵜飼船で舞を披露してみたい」、浅井さんは「まわりの人を笑顔に出来るような舞妓さんになりたい」
と目標を語る。
明治以来の伝統がある岐阜市の芸舞妓は、戦前には約400人いたものの、徐々に減少し、現在は約30人。
2010年に鳳川伎連が発足し、18年ぶりに舞妓が誕生した。今回はそれ以来となる新人舞妓の誕生で、
鳳川伎連の小野崎隆賢事務局長(43)は「今後も舞妓を育成する仕組みをつくり、伝統を継承していきたい」と話す。
「鳳川をどり」は5月6日午後3時半、岐阜市文化センターで開演。最後の演目の「岐阜音頭」では、2人が舞を披露する。
http://www.yomiuri.co.jp/local/gifu/news/20140429-OYTNT50089.html 初舞台を控える新人舞妓の鈴木さん(右から2人目)と、浅井さん(左から2人目)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20140429/20140429-OYTNI50020-L.jpg