Jリーグが創設されて以降、日本サッカー界において、「キング・カズ」こと三浦知良の人気と知名度は群を抜いてきた。
しかし、「不肖の実父」については知る人ぞ知る存在であり、これまで広く公表されることはなかった。
あまりにも刺激的で、タブー視されなければならなかったのもうなずける。
カズの実父・納谷宣雄氏の生き様がついに明らかにされたのである。
日本サッカー界のスーパースター・三浦知良(46)が公の場で実父・納谷宣雄氏(72)について
言及したことはこれまで皆無だったのではなかろうか。
そればかりか、サッカーマスコミの誰もが、カズに対して不肖の実父に関する質問を投げかけることはタブーとされてきたというのだ。
先頃、光と闇に包まれた描いた「ザ・キングファーザー」(カンゼン刊)を上梓した田崎健太氏が言う。
「かつて納谷さん自身の口からも『カズの歴史から納谷宣雄という名前は消えてるよ』という言葉を聞いたことがあります。
まるで寂しい境遇を嘆いているかのようでした。確かに、これまでカズさんの歴史が語られる時には、
単身でブラジルに渡ったかのようなエピソードが紹介されてきました。実際は違うんですよ。
カズさんがブラジルで成功して、日本に逆上陸するまでの過程には全て納谷さんが関わっていましたからね」
一般的には容易に理解できない、複雑な親子関係──。
そもそもカズが父親と名字を異にするのは、両親が遠い昔に離婚しており、「三浦」とは母親の姓だからである。
両親が離婚した原因は、納谷氏の素行の悪さを母親の親族が嫌悪したためだという。
とりわけ最大の理由と考えられるのは、離婚が成立するまでに繰り返された、2回の逮捕歴だ。
まだカズが9歳、兄・泰年(47)が10歳だった、76年4月6日、納谷氏は覚せい剤取締法違反の疑いで最初の逮捕をされた。
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