観客動員に苦しむ千葉が、Jリーグ史上例のないタダ券配布作戦で集客アップを目指す。
12日のホーム・富山戦(フクアリ)で当日の入場者が1万人以上の場合は、来場者全員に
自由席招待券をプレゼント。6月のホーム戦3試合で使用できる同招待券の引換券を
試合終了後の30分間、5つのゲートで配布する。
千葉広報部によると、「採算度外視でやります。それで観客増につながればいい」と赤字覚悟。
この招待券は自由席の2000円相当で1万人が来場したとして、単純計算で2000万円の
収入減の可能性がある。Jリーグ広報部も「おそらく史上初だと思います」と驚く。
無料券配布作戦は、低迷する観客動員の切実な事情がある。今年でJ2降格から4年目。
毎年観客は減り続け、1試合平均では09年のJ1時代の1万4730人から約5700人減った。
今季のホーム戦6試合で2勝3分け1敗と本拠地での成績も停滞。それだけに大胆な企画で
低迷を打破したい考えだ。一方で選手は複雑。7日の練習後、主将のDF山口智(35)は、
「(招待券を配っても)サッカーに興味のない人は再び来てくれるとは思えない。
僕たちにも義務と責任がある」と憂いていた。
◆過去のユニークな観客動員作戦
▽横浜F 97年3〜4月の来場者から抽選で、当時大人気の携帯ゲーム「たまごっち」を
各試合130個ずつ。クラブのスポンサーがバンダイだったことから実現した
▽神戸 04年3月の開幕戦(対市原)で全員にレプリカTシャツ。この試合には歌手の松浦亜弥が
ゲスト出演した
▽川崎 08年3月の開幕戦(対東京V)でタレント・ルー大柴を招き全員にカレールーを。
ルーマニアフードやペルー民族舞踊など、ルーづくしの一日となった
▽鳥栖 J1昇格した昨季から全試合でアウェーサポーターに地元産の米、イチゴ、ミカンなどを配布。
http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/jleague/news/20130507-OHT1T00213.htm