【テレビ】ビッグダディこと林下清志さん、初の著書『ビッグダディの流儀』発売記念イベント決定!握手会も
汁は10年春頃にリサーチ会社のスコープにリストアップされていた。
BDシリーズの撮影で豊田市内に投宿していたスタッフから、市内のスナックでバイトする5人の子を育てる26歳(当時)バツ2のシングルママとして発掘されていたのだ。
ところが汁が児童相談所の訪問調査を受けたり、中卒で逮捕歴があるなど、TVに出すにはだいぶ危ない過去の持ち主であることが判明。
汁を起用する企画は結局頓挫してしまった(10年8月)。
ところがその後、汁は独自に動く。
ゼロクリのクルーに頼み込んで、自宅から車で十数分にあった接骨院よこやまの別会社である、さくらケアサービスの介護スタッフとして紹介してもらい、アルバイト採用してもらったのだ(10年11月)。
そして、翌々月の11年1月、横山グループの新年会で林下清志に接近、自分より18歳年上の中年男を、呆気なく手中に収めることに成功した。
佳美と清志を離婚させた後、懐妊に成功(11年3月)。
4月1日に入籍し、その時点でスコープ&ゼロクリに自分が林下美奈子となったことを報告。
佳美と離婚して豊田に移転した林下家のBDシリーズを、今後どういう形で展開させるか、テレ朝と検討していたゼロクリはひどく驚いたが、もう後の祭りだった。
清志は、この時点でもはや番組を続ける意思がなかったが、美奈子は逆に番組に出ることを切望し、清志説得に成功。
これでテレ朝・ゼロクリは美奈子に頭が上がらないことになってしまう。
ゼロクリは佳美を切ることはせず、独自に11年いっぱいまで契約を延長、さらに豊田に三つ子、紬美とも移転させていたが、結局美奈子が佳美たちの再登場を阻止してしまう。
番組は半年のブランクの後、11年10月上旬に前後編2回に分けてのOAが決定。
遂に美奈子の野望の第一幕が上がることになった。
(続く)
美奈子の参入によってBDシリーズの制作のあり方は一変した。
それまでは、現場のゼロクリのディレクターの意向をベースに、アイデアを基に清志のディテールの味付けするといったものだった。
しかし、美奈子はそれらを全て事前に彼女自身に開示することを強く要求し、通してしまった。
発端になったのは、隠岐移住に失敗した直後の、あの駐車場のケンカシーンである。
隠岐移住は、清志の意向ではなくテレ朝が企画したものだったが、事前に海士町のIターン担当者との協議で拒否されていた。
この件について清志はフライデーに「後から知った」と語っているが、実は美奈子が「代打」として隠岐に行っていた間に知らされていたのである。
制作サイドとしては、清志が隠岐で漁師体験までしたのに、結局移住を拒否される顛末さえ撮影できれば、もうそれで良かった。
ところが、何も知らされていなかった美奈子は隠岐海士町をことのほか気に入ってしまう。
「絶対住みたい」と目をギラギラさせて語っていたのは、ヤラセでも演出でもなく、美奈子の本心だったのだ。
その後「予定通り」に担当者から連絡があり、移住を断念することになったが、何も知らない美奈子は諦めきれない。
直接、自ら担当者に電話をして食い下がるという、「予定外」の行動力を発揮してしまう。
そして、清志とゼロクリは予定の小豆島へ出かけようとしたところを、駐車場で美奈子に押し止められてしまう。
離婚までちらつかせて、食い下がろうとしない美奈子。
編集でカットされているが、このままでは収拾がつかないと不安になったディレクターが海士町の件が実は仕込みで、本命は小豆島であることを明かしたのだ。
だが、それは逆に美奈子の激怒の炎に油を注ぐ結果となってしまった。
あのシーンは、その後、清志と美奈子の会話がまとまらず、いったんアパートに戻ることでシーンが終了したが、実はゼロクリも交えて、今後の撮影についての情報整理を立て直そうと清志が申し出たものだった。
結局、美奈子にも等しく情報やl企画内容を事前に開示し、美奈子の意見があれば可能な限り内容に反映させていく、ということで話はなんとか収まる。
もちろんそのまま番組で使えるはずもなく、SEXでの仲直りを漂わせる演出で不自然な決着の付け方をしたのは、まさに苦肉の策だった。
(続く)
221 :
名無しさん@恐縮です:2013/04/10(水) 11:04:12.87 ID:zkutzgRH0
>>218 台本でも、流石に…と訂正をさせるのが常識人。
山谷のおっさん達でも多少は小綺麗にするわww
何か刺激を受けると、すぐさま激情しヒステリックに号泣する美奈子は、確かにテレビ的においしい素材だった。
けれども制作・撮影が進むにつれ、むしろデメリットのほうが顕わになっていく。
明らかなきっかけとなったのは「白黒つけないと気がすまない」というセリフだった。
実子の長男と三女のケンカで、双方の美奈子への言い分の食い違いに対して出た言葉だったが、何人かの視聴者はその一言に、美奈子が心に抱える不具合=ボーダー傾向にあることに気づいてしまう。
気づいていなかったのは、制作のゼロクリとテレ朝、そして配偶者の清志だったのである。
テレ朝サイト内にある番組HPには、事前にCKしてOKと判断された内容の投稿が表示されるスタイルの掲示板に「美奈子はボーダーのように思えるが大丈夫なのか?」という指摘がOA直後、多数書き込まれる。
「自分もボーダーなので分かる」「自分の家族にボーダーがいるが、非常に似ている」という、とても悪戯とは思えない内容のものが多く、ここに至って美奈子の本質的問題が浮き彫りにされる形になった。
既にネットでバレてしまったいた、中卒で逮捕歴がある、児童相談所からの訪問調査を受けた……などは、過去の「若気の至りの武勇伝」として片付けられるとしても、現在の心の不具合ぶりは、とてもではないがTV的に愉快な話になるはずもない。
対処法として、次回のOAで美奈子自身が「凄絶な生い立ち」を語るシーンを挿入して、視聴者の同情を集める演出上の試みを行ったが、番組的にはむしろ逆効果となる。
ボーダーであることに何の関心もない、もう一方の大多数派の視聴者は、あくまで激情し号泣する美奈子を面白おかしく見たいだけだったからだ。
この件はメインスタッフと清志以外は知らないはずだった。
週刊誌などには絶対に気づかれることがないよう、緘口令が敷かれる。
だが、梅雨の盛りの6月、何故か清志の実子たちに漏れた。
そして、一気に彼ら4人の美奈子を見る目つきが変わった。
いや、正確にいうと目を合わせなくなったのである。
(続く)
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ボーダーの件がキヨシの実子らに漏れてしまってからというもの、7月以降の撮影は冷たい空気が流れるようになり、大家族モノが持たなければならない「温かみ」が画面から消え去ることになった。
番組中でキヨシは「子供らが家の中で実母たちの話を出来なくなっている」という言葉にすり変え、今回の別居理由としている。
ところが別居の最大理由は、実際のところは「金(ギャラ)」の分配にあった。
キヨシが養子縁組しようとしない自分の実子たちの登場時間が、小豆島移住以降で回を追うごとに増えているとして、美奈子は「自分たちの取り分」を主張するようになったのだ。
キヨシは奄美時代に、元妻との間でも「分配」でもめたことがある。
児童手当の分配を端緒に、三つ子の画面登場回数が増えているのに、自分に金が回ってきてないことを親族から指摘された佳美がようやく気づいた結果だった。
ゼロクリからのギャランティを明らかにせず、秘匿しようとするクセが、当時からキヨシにはあった。
ボーダー問題とも合わせて、美奈子との分配で「白黒」つけるには、もはや別居しか解決策がなかった。
キヨシに強く依存しているため別居が不安な美奈子は、柔美から都美までの4人を隔離し、土庄の学校近くに下宿させることを提案したが「親が近くにいるのに、中高生だけで別に生活させるような非常識は放送できない」とテレ朝から却下されてしまう。
分配と別居を天秤にかけて悩んだ末に、美奈子は分配を選択。
キヨシは実子4人に加え、蓮々との交換で星音が接骨院2Fに住み、土庄と小海の2箇所の放映時間でギャラを分配することになった。
例えば実質120分のOA中、60分が小海、40分が接骨院、残り20分がその他なら、ギャラを5等分した上で、3は美奈子、2はキヨシが取るという決着方法。
これなら誤魔化しも、曖昧にも出来ない、ということだ。
いずれにせよ、このままでは美奈子たちの小海へ撮影の軸がシフトするのは間違いない。
だが、既にかなり負の要素が知られてしまった美奈子というキャラを中心にした番組作りは相応のリスクがあり、テレ朝とゼロクリは次のプロット作りに頭を悩ませている。
本当の理由はギャラの分配であるのに「長男と離れて暮らす哀れな自分」を演じるために、演技素人にも関わらず簡単にスイッチを入れて号泣できる優秀な素材であることには違いないのだが。
(続く)
離婚以降も元妻佳美と密かに契約していたテレ朝は、11年10月のOA以降、美奈子の好感度の低さに危機感を持ち、豊田に移住した佳美母子を取り上げるスピンアウト的な別番組を作ろうとした。
そこで佳美と協議の上、武志と柔美を「佳美チーム=豊田組」へ加えるというアイデアが浮上する。
小学生の三つ子や3歳の紬美だけでは構成が薄いという理由からだ。
高校2年生と中学3年生の二人が母子家庭に加わることになるが、経済的にはテレ朝が面倒を見るということで落着した。
ところが、子供たちの反応は想定外だった。
既に豊田に住んでいたため「佳美チーム」のキャストとしてカウントされていた長女の愛美は、企画段階ではっきり出演を拒否。
「自分は父にも母にも付かずに、中立の立場でいたい」と、自立宣言したのである。
一方、紬美への想いが強く残っている柔美は「(豊田行きは)半々とまではいかないが(意思としては)ゼロではない」と悩んだが、最後のところで父を裏切れなかった。
希望する大学進学には愛知在住の方が何かと都合の良い武志は「父さえ認めれば」ということを条件にしたが、最終的に清志の許可は下りなかった。
柔美と武志については、いずれも番組中のシーンとして扱われ、ここまで一家を束ねてきたビッグダディの求心性が、子供たちの成長とともに弱まりつつある現状として描かれることになったが、佳美母子らによるスピンアウト企画はなし崩しで頓挫する結果となった。
ところが、裏側でテレ朝のそんな動きがあったことが1月の終わり頃に美奈子に漏れてしまう。
当然のことながら本人は激怒し、元妻の登場する全ての過去動画の配信をストップさせた。
こういった離婚以降の一連の騒動をきっかけとして、愛美は「過去映像の流用以外、これ以上TVには出ない」と、静かなフェードアウトを今年の夏前に決断する。
合わせて長女の立場から、2006年以降TVに取材されることを軸に成立してきた家族のあり方を再考し、自分と血のつながった弟妹たちの今後を配慮してやるよう父へ強く訴えた。
同時に小豆島の妹弟たちへも、様々なアドバイスを与えるようになる。
大人として独立した、そんな愛美のアクションによって、実子たちをカメラの前に晒し続けてきたことへの後悔と罪悪感が、清志の中に芽生えるようになった。
番組開始7年目にして、ようやくのことだった。
(続く)