飼い殺し本田の二の舞いストップ 日本サッカー協会異例の通達「けがは日本の医療機関で診察を」
日本サッカー協会が、海外のクラブでプレーする選手に異例の通達を出した。
関係者によると「けがをした場合、必ず日本の医療機関で診察させるという契約条項を加えるように」
という内容だ。故障が発生したら、所属クラブ側が医療措置を取るのが常識。それでも通達を出したのは
ズバリ、日本代表MF本田圭佑(26)=CSKAモスクワ=の二の舞いを避けるためである。
本田はここ数年、移籍期間に入るたびにビッグクラブ移籍を要望している。しかし、今年いっぱいまで
契約が残っており「移籍金は最低でも1600万ユーロ(約17億円)。ビッグクラブとの商談しか
受け付けない」(CSKAモスクワ・ギネル会長)という理由で、ご破算になったとされている。
だが、本当の問題は金銭ではない。年齢的にも今がピークの本田に正式オファーがこないのは、
一昨年8月に痛めた右ひざ半月板が最大の原因だ。
当時、クラブ側の指示で治療とリハビリを行ったのは、スペイン・バルセロナの病院。しかし、本田は
「日本での治療を希望していたと聞いている」(協会幹部)という。結局、所属クラブのお抱え医師の
所見だけでは、欧州のビッグクラブは信用しなかったのだ。
よく考えてみれば、サッカーもプロ野球も助っ人は故障すると帰国して治療する例が多い。
前出の協会幹部は「だから、日本の医師に診てもらうようにしてほしいということなのです」と話す。
同じく日本代表のMF香川真司(23)=マンチェスター・ユナイテッド=も左ひざを痛め、
当初は3週間で復帰の予定が2カ月近くに伸びた。
本人が移籍したくてもできなかったのには、こんな理由もある。本田のような“飼い殺し”の悲劇は、
繰り返してはいけない。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/news/20130110/soc1301100709001-n1.htm