日本列島がサッカー一色となり、社会現象ともなった2002年のW杯日韓大会。あれから10年が過ぎ、最年長メンバーの“ゴン中山”こと中山雅史が45歳でピッチを去った。
この引退劇に前後して日韓W杯メンバーに今、次々と“引退危機”の試練が訪れている。
「JリーグMVPの獲得経験もある三都主アレサンドロの“戦力外通告”は衝撃的でした。3年間在籍した名古屋グランパスの来季構想から外れ、その後トライアウトにも参加しています。
『1月いっぱいまで待ってオファーがなければ引退するしかない』と悲壮な覚悟を決めて臨んだようです。しかし35歳という年齢もあってか、手を挙げるクラブはまだ出てきていません」(スポーツ紙記者)
三都主の他にも“赤モヒカン”で一世を風靡した34歳のボランチ、戸田和幸がJ2FC町田ゼルビアで、今季リーグ戦2試合の出場にとどまり、契約満了に伴って退団した。
また、史上最年少の17歳で代表デビューを果たした右サイドバック、32歳の市川大祐はJ2水戸ホーリーホックで32試合に出場しながらも“戦力外”の憂き目にあった。
市川は清水エスパルス、ヴァンフォーレ甲府と3年連続で無情の通告を受けることに。現時点で彼らの移籍先は決まっていないという。
「日韓W杯で20代半ばだった選手も今や大ベテランの域に入っている。当然、体力的、プレー的な衰えから、戦力外を通告されるケースは多いと言えます。
そのうえ、今のJリーグにはベテランに厳しい風潮もある。実は、市川のように試合にコンスタントに出ていても構想から外れるベテランは少なくない。
クラブとしては同じような力なら、カネのかからない若手のほうがいいというわけです。39歳にして今季J2の試合すべてに90分フル出場した服部年宏という例外もありますが」(サッカーライター)
メンバー23人の中で現役は引退表明の中山を外すと14人。しかし今季のJ1でレギュラーと呼べるのはわずか数名に限られる。女優の田中美保との結婚を発表した稲本潤一や柳沢敦など人気選手たちも今季は先発での出番が少なかった。
10年前、日本中に歓喜を呼んだ英雄たちも、さすがに寄る年波には勝てないか……。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121219-00000002-sbunshun-spo