日本人以外のサッカーファンにJリーグの試合の雰囲気について訊ねられると、どう答えるべきかはいつも分かっていた。
清水エスパルスの素晴らしい応援のリズムであったり、FC東京のゴール裏の陽気な様子であったり、横浜F・マリノスの赤と白と青のパラソルであったり。
公園と神社の間を抜けてNACK5スタジアムに向かった経験や、ほぼ全ての会場に存在する素晴らしい「スタメシ」について語ることもあった。
日本におけるフーリガニズムについて訊ねられることもあるが、こちらはエピソードを挙げるのが少々難しい。
浦和レッズのサポーターが槍投げのようにフラッグを投げたり、横浜FCのサポーターが中指を立てた横断幕を掲げたり、鹿島サポーターのフラッグがCKを蹴ろうとする相手選手を妨害したりといったようなものだ。
だが今、日本のサッカー界で最悪なものは何かと誰かに訊ねられたとすれば、その答えを見つけるのは難しいことではなくなってきた。シンプルに「ガンバ大阪」と答えればいい。
うぬぼれと困惑を抱えて始まったG大阪の2012シーズンは、最後まで何も変わらないまま、先週土曜日のジュビロ磐田戦に1−2で敗れてJ2降格が決まるという形で幕を閉じた。
呂比須ワグナーを正式な監督に就任させられなかったことに始まり、今野泰幸の獲得に必死になる一方でより必要だったはずのGKの補強を逃すなど、クラブのシーズン序盤の失敗の責任はフロントの力不足にあった。
だが、最後の最後に愛するクラブの名前を傷つけたのは、ヤマハスタジアムで4時間半の座り込みを行ったサポーターたち自身だった。
G大阪のサポーターはもちろん過去にも騒動と無縁ではなかった。アウェーのスタジアムを訪れる際の試合前の行進や、その結果としてしばしば生じる小競り合いは悪い意味で有名となった。
>>2以降につづく
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121208-00000021-goal-socc