◆アジアシリーズ ▽1次リーグB組 ロッテ0─5巨人(10日、韓国・釜山)
予選リーグB組の巨人がロッテ(韓国)との「ジャイアンツ対決」を制し、決勝進出を決めた。
先発の沢村が7回4安打無失点好投。韓国の公式球に巧みに対応して国際試合での適応能力の高さを示し、
「侍ジャパンマッチ2012・キューバ戦」(16日・ヤフーD、18日・札幌D)へ弾みをつけた。
打線は、村田が初回に先制打、坂本が3安打し、チーム6盗塁の機動力も見せつけた。
巨人は決勝でA組1位のラミゴ(台湾)に勝てば、史上初の“5冠”達成となる。
満面の笑みで切り出した。ロッテを撃破し、村田は韓国語で「いいね」を意味する言葉を繰り返した。
「チョアヨ! チョアヨ!」。初回2死一、二塁、先制の中前適時打を放つなど2安打1打点。
右手親指を立てながら、上機嫌でバスに乗り込んだ。
韓国との悪い思い出を吹き飛ばした。09年の第2回WBC。第2ラウンドで右太ももを肉離れしたが、
その相手が韓国だった。世界一の胴上げに参加できなかっただけでなく、その故障以降、
自身の成績は右肩下がり。国際試合の思い出を問われても「いいことがないね。
あの試合が分岐点になっている」と嘆き節ばかり。4番を務めた9日の初戦では緊張感からか、
試合前に鼻血が止まらず、結果も5打数無安打。いいことがなかった。
流れが悪い。こんなときだからこそ、前へ出た。9日夜、韓国語の翻訳アプリが入った携帯電話を
手に釜山の街へ出かけた。現地の人にボディーランゲージを交えて道を尋ね、韓国人が列をつくる
庶民的な韓国料理店へ。「ここの人は、ホントに辛い食べ物が好きなんだな。辛いのは苦手だけど、
とりあえず韓国を攻略しておきます」。釜山名物のカニなどが入ったキムチ料理を豪快にたいらげた。
“宿敵”を破るイメージを膨らませ、その16時間後、呪縛を打ち破った。
初回の先制打は坂本が中前安打で出塁し、阿部が四球で歩かされた場面で飛び出した。
「日本を思い出すような状況でしたね。とりあえず打てて良かったです」。今季は得点圏打率2割3分と
苦しんだ。新天地での悩みも吹き飛ばし、アジアの頂点へ突き進む。
http://hochi.yomiuri.co.jp/giants/news/20121110-OHT1T00269.htm