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今一度テレビの面白さを知ってもらうには、ルーティンの発想を捨て去り、チャレンジする姿勢こそ意味があると、立松氏は続ける。
「水曜8時に編成した『世界は言葉でできている』も主旨は同じです。“地上波のゴールデン枠でもこういう知的エンタテインメントができる”という、メッセージの発信ですね。
厳しい勝負かもしれませんが、まずは若者層にしっかりアピールして、年配層に広がれば、必ず世帯視聴率もついてくると思っています」
また、今改編は「改革のスタート地点。来年4月の改編ではより大きなチャレンジを断行したい」と話す。
■新たなクリエイターの育成やSNSの活用などにも挑戦
スマートフォンの台頭については、リアルタイム視聴にもつなげるチャンスと話す。
例えばセカンドスクリーンとして、番組と融合させることで新しい見せ方が提案できるという。
「ロンドンオリンピックでは生中継を見ながらTwitterなどのSNSで交流することで祭りのような盛り上がりも見られ、相乗効果によって視聴率もアップしました」
こうした動きを先取りしたのが、前述の「COOLTV」とYouTubeの連動。
各番組の放送後に、番組に関連したオリジナル動画を配信する画期的な試みは、同社のチャレンジ精神を体現したものと言える。
「新しい文化を生み出したいという思いは常にあります。特に月曜の『NumerOn』と『オデッサの階段』はフジテレビが発展していくためにも重要な番組だと捉えています。
また、「COOLTV」枠には、新しいクリエイターの発掘育成という目的もあります。
『オデッサの階段』では、これまで『踊る大捜査線』などのCG制作を担当してきた冨士川祐輔が、初めて総合演出を担当しています」
立松氏は「当社にとって、今が大胆なチャレンジに取り組める最適な時期」と力を込める。
まずは、10月期新番組が、どのような評価を得ていくのか、結果が注目される。