すでに来季J1昇格を決めているJ2甲府は21日、福岡に3−2で勝利。
J2無敗記録を21試合に伸ばし、クラブ初タイトルとなる優勝を達成した。
アウェーの地で胴上げされた城福浩監督(51)は「今季は1万人に満たない観客数からはじまって、前節はホームを満員にできた。
これを歴史として、次のステージの結果をとるためのベースになっていけばいい」と胸を張った。
しかし、そう簡単にはいきそうもない。昇格の立役者となったのはブラジル人のFWダヴィ(28)だが、来季J1鹿島への移籍が濃厚。
今季はダヴィを軸にした戦術に変えたことで快進撃を続けたが、1999年のクラブ創設以来、3季連続でJ1にいたことはないのだ。
ダビィは2007年、ブラジルのクラブからJ2札幌に移籍。09年にはJ1名古屋にレンタル移籍し、17試合で10ゴールの大活躍をみせた。
するとシーズン途中の7月に、本人の希望でカタールのクラブに6億5000万円で完全移籍した。
ところが「給料がまったく払われない」とJリーグ復帰を熱望したのだが、日本に高額な移籍金を支払えるクラブはなく、
バブルにわく中国リーグの北京国安に移った。ここで落ち着くかと思ったら、なんと故障で解雇。
そんな助っ人を格安のレンタル料で拾ったのが、甲府だったというわけ。
そもそも、J2クラブが昇格するには助っ人FWの存在が欠かせない。
ダビィが移籍するとみられる鹿島は現在、世代交代が進行中。
今季は元川崎のFWジュニーニョ(35)が働いたが、その代わりの役目を負う。
結局、20年目を迎えたJリーグでは、点取り屋の助っ人を使い回すという構図は相変わらず。
ひいてはそれが日本代表の決定力不足の元凶だと分かっていても、Jクラブは今オフもブラジル人FWを買いまくる。
この悪循環こそ、Jリーグの試合が年々つまらなくなる一番の原因だ。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/images/20121023/soc1210230712000-p1.jpg 甲府の昇格に貢献したダビィだが、鹿島移籍が濃厚
2012.10.23
http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/news/20121023/soc1210230712000-n1.htm