米大リーグ、ツインズとの3年契約を1年辞退して退団し、日本球界からオファーを待つ西岡剛内野手(28)。
渡米前に掲げたマニフェストは、今やただの“勘違い発言”と化した。
3試合で12打数無安打1打点。これが今季大リーグの成績。
退団に際しては先月29日、自身のブログで「僕自身アメリカでプレーして、全てにおいて力のなさを痛感しました」と吐露。
「メジャーに挑戦するときに、みんなに絶対活躍してくると言ったのに結果を出せなかったことは、本当に申し訳ありませんでした」とわびた。
前所属のロッテがポスティングシステム(入札制度)での米移籍を認めたのは2010年オフ。野心あふれる西岡は「日本人内野手で成功した人がいないので、若いときに挑戦をして、日本人内野手に対するイメージを覆したい」と豪語した。
当時これを聞いた報道陣は困惑した。チームメートの井口資仁をはじめ、松井稼頭央、岩村明憲(ともに現楽天)ら主力としてワールドシリーズ出場を果たしたメジャーの先達を「成功していない」と断ずるのは暴論。
各方面への配慮から、報道の際は「大成功」に表現を緩めることで落ち着いた。
それからわずか2年。先達の「成功」レベルにかすることもなく、スピードスターの野望はついえた。裏切った期待の大きさゆえに、日本人内野手ひいては野手全体のイメージが、覆るどころか大幅に悪化。
昨オフのポスティング事情にまで波及した。西武・中島はあくまで“控え扱い”のヤンキース入りを断念し、ヤクルト・青木は“テスト生扱い”を甘受してブルワーズに入団。
ともに日本での実績は西岡をしのぐが、落札額や提示年俸ははるかに下回った。
背負ったら思った以上に重かったのか。日の丸を下ろすことで、一からの出直しを図る西岡に、早くも秋波を送っている球団もあるようだが…。
ラブコールが熱烈で、待遇が破格であるほどに、日本の野球を愛するファンのプライドは逆なでされる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121006-00000005-ykf-spo