日本中を寝不足にしたロンドンオリンピックが終わった。日本選手はがんばって史上最多の38個のメダルを獲得、日本を包むけだるい閉塞(へいそく)感から、しばしわれわれを解放してくれた。
なぜか日本ではあまり大きく紹介されなかったが、オリンピック期間中にアメリカで報道され大きな反響を呼んだ日本選手の写真があった。
写真を掲載したのは米NBCニュースのウェブサイトで、日本人選手というのはなでしこの宮間あや選手だった。
フランスとの準決勝を2−1で制した直後、宮間選手は芝生に座り込み呆然(ぼうぜん)としているフランスのカミル・アビリー選手に歩み寄り、彼女の肩を両手でそっと押さえ慰めている。そんなふうに見える写真だった。
NBCニュースのナタリア・ヒメネス記者は「試合後に双方が握手やハグで互いに健闘をたたえることはあっても、相手側の選手を慰めるシーンはめったにみることはできない」と報じた。
もう一枚の写真には、2人がともに芝生に座り込み、疲労困憊(こんぱい)したアビリー選手が宮間選手の身体に手をかけながら何か語りかけているシーンが写っていた。
ヒメネス記者は「数分前まで死闘を演じた後、勝者は敗者をいたわり、敗者もまたそれを受け入れている。精根をかけて戦った後、このオリンピアン(宮間選手)は真のスポーツマンシップを見せてくれた」と結んだ。
読者からの反応は圧倒的だった。
「スポーツをする人すべての見本だ」
「宮間の能力、精神、行動、すべてが本物のオリンピアンだ」
「これが日本の文化だ。日本人は敗者に対しても礼節と尊敬を忘れない」
「日本の女子サッカーチームには真のオリンピック精神と気品がある」
>>2以降につづく
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120906-00000500-fsi-bus_all