世の中がこぞって暴力団追放に向かっている。そんな折、週刊文春が6月、2週にわたって「巨人・原監督が
元暴力団員に1億円を支払った」問題を追求している。原辰徳監督が昔交際した女性問題で2006年に
1億円を脅し取られたというものだ。
■吹き飛んだ爽やかイメージ
東海大相模高、東海大そして巨人の野球人生を通じて、原監督自らも売りにしていた「爽やかなイメージ」は
吹き飛んだ。昔の話で原監督も人の子だったという声、立場を考えればやむを得なかったという同情論も多い。
しかし、被害者の立場を強調する姿勢を見るにつけ、世間の常識から懸け離れた意識を感じ、進退伺など一応の
けじめにも思いが至らなかったのだろうかと思った。09年にこの問題が再燃して球団が知るところとなったが、
それでも被害届は出されなかった。球団も内々に処理したのである。
今回、巨人球団と原監督の対応は早かった。「原監督は恐喝事件の被害者であり、1億円を支払った相手が
反社会勢力との認識はなかった」といった趣旨で、週刊誌を提訴することと原監督の監督継続に問題なしとした。
そして、渡辺恒雄球団会長が監督続投を明言して幕引きを図ろうとしている。
球団および原監督は、今回の週刊誌への情報提供者は「状況証拠」から、渡辺会長に反旗を翻した清武英利元球団代表
であるとして非難している。読売新聞は原監督の「ファンの皆様へ」「清武さんへ」というメッセージを大きく
紙面を割いて掲載した。発行部数が1千万部とも言われる日本のリーディングペーパーのやることではないし、
はからずも巨大マスコミが球団を持つ問題点を浮き上がらせた。
■動かない日本野球機構
記事には元巨人の横浜DeNAの中畑清監督が仲介役として登場してくるのだが、両球団が短期間でどういう調査
をして、問題なしとの結論に至ったかなどよく分からない部分があり、原、中畑両監督の説明も一方的なものだ。
日本野球機構(NPB)も表だって動いている様子はない。「力は正義なり」といった風に突き進む球団とそれを
傍観する球界トップの図式は今回も変わっていない。そこにある種の危惧を抱かざるを得ない。
続きは
>>2-5あたりに
SANSPO.COM
http://www.sanspo.com/baseball/news/20120704/gia12070406070003-n1.html