歩んだキャリアという点においては、国内リーグを経ずにドイツに飛び出した風間八宏は、Jリーグ一筋の
遠藤保仁(ガンバ大阪)とは対照的な道を進んだ選手だ。風間は筑波大学を卒業すると、多くの実業団チーム
からのオファーを断ってドイツのレバークーゼンに入団した。日本サッカー界の海外組の先駆け的存在である。
しかし、「絶対的な技術」をベースに、「俯瞰(ふかん)的な視野」を持ってプレーしたゲームメーカーという意味
においては、2人には多くの共通点が見られる。特に“天才”と呼ばれた点において――。
解説者として活躍するだけでなく、筑波大学の監督(インタビュー時点/現川崎フロンターレ監督)として日本
サッカー界に新たな潮流を生み出そうとしている風間の目に、現代表のゲームメーカーはどう映っているのだろうか。
■「日本に1人しかいない」選手
――早速ですが遠藤保仁のプレーを見て、「おもしろい」と感じるのはどんなところですか?
3つあります。まず1つ目は、圧倒的に技術が高いところ。遠藤はどんな状況に置かれても「ボールを扱う技術」
がブレない。決して派手な技術ではないんですが、本当にいろんなものが正確。
2つ目はひょっとしたら本人は無意識でやっているかもしれないけれど、メンタルのコントロールができていること。
技術というのは日によって波があるんですが、遠藤はうまく対処できる。これをわたしは「自分の心を扱う技術」と呼んでいます。
そして3つ目は、これが遠藤の最も突出している能力だと思いますが、「敵を扱う技術」が優れている。敵をよく見て
プレーしているから、常に安定したパフォーマンスをできるし、効果的なプレーをできる。たとえば、「今日は自分が出て
行く必要がないな」と思ったらほどほどにやっておくし、「おれが行かないとダメだな」って思うと積極的にゴール前に
顔を出す。敵を操れるという意味では、真のチームの司令塔。日本サッカーにも昔はたくさんいたと思うんですが、
だんだん減ってきたタイプの1人。絶滅種に近いMFですね。
(かなりの長文ですので、続きはソース先を参照願います)
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/jleague/2012/text/201205060004-spnavi_1.html