あの豪快なフルスイングはどこへいったのか。西武中村の調子が一向に上がらない。
22日現在、打率.196、7打点。15試合を終えて、いまだに本塁打は1本しか出ていない。
08、09、11年に本塁打王を獲得した勢いはどこへやら、だ。
22日のロッテ戦でも、4打数1安打、3三振。七回に適時打を打ったとはいえ、
地面スレスレの外角直球にバットを合わせにいっただけ。
かつて土井ヘッド兼打撃コーチは「中村は打率が下がっても、ヒット狙いでごまかさない」
と話していたが、この日のスイングは明らかにヒット狙い。
技ありといえば技ありだが、中村らしからぬバッティングだ。
中村は「見逃せばワンバン? まあ、それは……」と沈黙。
「焦っても仕方ないし、かといってのんびりやるわけにもいかない。何とかするしかないん
じゃないですか」と、自分に言い聞かせるように話し、球場を後にした。
ある球団関係者は「不振の原因はバット」と言う。
昨年まで試合で使用するバットはヘッド部分の直径が7センチ以下と決まっていたが、
今季から6.6センチ以下に変更。
中村のバットはこの規格に引っ掛かって、別のものに替えざるを得なくなったのだ。
中村はヘッド部分の幅がこれまで使用していたものより0.4センチ細くなったことを考慮し、
バット自体の重量を930グラムから940グラムに10グラムアップした。
「そうした変更を踏まえて、重量のバランスも昨季までのバットに近づけるよう注文したが、
感覚が全く違うらしい。もともとヘッドを利かせたスイングをしていただけに、これが致命的。
以前の感覚でバットを振ると先端が軽くなった分、ヘッドの出方が早くなるらしく、
打つときに体まで開くようになった。本人も『バットとは全然違うものを振っているみたい』と
嘆いています」(前出の球団関係者)
昨季は飛ばない統一球を全く苦にせず48本塁打を打った男が、今年はたった0.4センチの差
に泣いている。
http://news.livedoor.com/article/detail/6499611/